株&コモディティ チャート分析:原油と共に落ちる株価





KEY TAKEAWAYS
  • GDPNowが-1.0に。リセッションサイン点灯。
  • 原油価格が下降トレンドに戻る。
  • 株価指数も下降トレンドを再開


みなさん、こんにちは!

6月30日のマーケットの経済データとチャート分析をお届けします。


とうとう嵐がはじまった?

今四半期のGDPを推測するGDPNow(※1)がマイナスになりました。いよいよ公にもリセッション(※2)と宣言される日が近づいている気がします。各国で失業率がじわじわ微増していて、米国の失業保険申請数も増加の一途をたどっています。

定義は置いておいて、もうリセッション状態になっている雰囲気は感じます。有名なARK ETFの代表キャシーさんも「いまリセッションにいる」と語っていますし、センチメント指数は過去最低水準に達していますし、景気指数も下がり続けていて小売売上指数はリセッション時期と同様にマイナス領域にいます。

インフレーションが下がり始めればポジティブな方向に進み始めると思いますが、少なくともインフレーション指数の計測を2か月分見ないと確認できないため、少なくとも9月までは嵐がおさまらない気がします。

反対の見方をすると、お金を増やすのに絶好の機会であるバーゲンセール期間が早くて9月に終わってしまう、ということになるので、毎月少しずつ好きな会社の株やETFを買い集めて数を増やしておくのが良い気がします。

ということで、個別にチャートを見ていきましょう!

1. GDPNowは、米国中央銀行アトランタ支局が提供するレポートで、日々の経済データを元に現在の四半期のGDP推測値を算出するものです。正式な予測値ではありませんが、向かっている方向を探る手掛かりになっています。
2. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。



 



世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※3)である米国マーケットを分析することで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※4)のインサイトを見つけることができればと思っています。

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。

Table of Contents




直近の主な経済データについて

この1週間は以下の経済データが公表されました。


仏国 インフレーション指数 6月速報値 5.8%(専門家予測5.5〜5.6%、前回5.2%)
1985年以来の高さ。予測より高く、前回より高い数値。

独国 失業率 6月 5.3%(専門家予測5.0%、前回5.0%)
予測より高く、前回より増加。

欧州 失業率 5月 6.6%(専門家予測6.8%、前回6.8%)
前回より減少。ひと月古いので参考程度。

失業保険申請数 231K(専門家予測218K〜228K、前回233K)
増加傾向が継続。前回数値もアップデートされ高くなっている。

GDPNowアップデート -1.0(前回0.3%)
マイナス領域に突入。前回より1.3%減少。


Source: Federal Reserve Bank of Atlanta GDPNow


Q2(第二四半期、4月〜6月)最終日にアップデートされたGDPNowは-1.0になりました。今日もまたアップデートされる予定のようですが、今日からQ3になるためQ2はマイナスの数値が最終値となります。

実際にリセッションかどうかを判定するのは「the National Bureau of Economic Research (NBER)=国家経済研究機関(?)」というところで、厳密には2四半期連続でマイナス成長率であるというクライテリアはないそうです。複雑な要素を総合的に判断してリセッションと断定するそうですが、その結果ほとんどの場合2四半期連続でマイナス成長の状況になるんだそうです。

それはさておき、リセッションと断定されるかどうかはその機関に任せるとして、経済指数は軒並みリセッション状態に向かっていますし、ARK代表のキャシー・ウッドも「まさに現在リセッションにいる」と語っています。

いっそのこと早くリセッションの宣言がされて、インフレーションが下がってくれた方が早く回復ムードに戻れるんじゃないかと思ったりします。



今週の主な経済データ
7月1日   欧州 インフレーション指数 6月速報値(専門家予測8.3%、前回8.1%)






S&P500ボラティリティ指数 VIX(※5)



KEY TAKEAWAYS
  • 徐々に下がる方向にポジションを持つ人が増えている。
  • 数値が高いのでどちらの方向にも大きく動く可能性がある。
  • 大きくスパイクするための理由を待っているように見える。

5. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。




S&P500指数ETF SPY(※6)




KEY TAKEAWAYS
  • フィボナッチ(※7)-85.4%ラインを下回ると直近最安値を更新する見込み


6. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
7. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率を出すと61.8%になります。チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いのが特徴です。





NASDAQ100指数ETF QQQ(※8)



KEY TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して下がる可能性。


8. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。





 

日本株式ETF EWJ(※9)



KEY TAKEAWAYS
  • 直近最安値を割ると下降スピードが加速しそう。


9. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。





 


ビットコイン米ドルレート BTC/USD



KEY TAKEAWAYS
  • しばらく$20,000付近で推移する見込み。
  • チャネルラインの中では下がる余地が残っている。








おまけ



KEY TAKEAWAYS
  • 下降トレンドに戻った。
  • フィボナッチ61.8%ラインを下に抜ければ大きく下がる可能性。








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FXモメンタムガイド

為替マーケット(FX)のトレンドを見るためのツールです。主要な通貨の値上がり/値下がりの傾向をトレンドラインにして見ることができます。トレードの参考にご覧ください。



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マーケットのセンチメントをはかるためのツールです。リスクオンなのかリスクオフなのかを見るために、米国のETFの日次の値動きと週次の値動きと取引ボリュームをバブルチャートにしています。



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