株&コモディティ チャート分析Daily: 下半期は回復?




KEY TAKEAWAYS
  • GDPNowが-2.1に下落。
  • VIX指数が減少
  • 金利予測は低下。


みなさん、こんにちは!

7月1日のマーケットの経済データとチャート分析をお届けします。


昨日も今四半期のGDPを推測するGDPNow(※1)がアップデートされましたが、さらにマイナスにふれて-2.1%となりました。リセッション(※2)にいる確率が上がり、それが中央銀行のスタンスを緩和する期待に繋がっているかのように金利予測は下がっています

国債がよく買われているようで、米国10年国債の利回りがぐっと下がっています。VIX指数が下がって株価が少し上向きになっているように見えますが、同時に守りを固めている人が多いようにも見えます。

上半期に大きく下がった1970年には下半期で大きく回復が見られたようで、これからの半年で大きく回復することを期待する動きがあるようです。大きく下がった後は大きく回復するものですが、リセッション(失業率が上がっていく時期)に入るといつの時もさらに株価が下がっているようなので、大きく回復する前にもう一つ大きな谷が出てくるような気がしてしまいます。


ということで、個別にチャートを見ていきましょう!

1. GDPNowは、米国中央銀行アトランタ支局が提供するレポートで、日々の経済データを元に現在の四半期のGDP推測値を算出するものです。正式な予測値ではありませんが、向かっている方向を探る手掛かりになっています。
2. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。



 



世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※3)である米国マーケットを分析することで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※4)のインサイトを見つけることができればと思っています。

3. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
4. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。

Table of Contents




直近の主な経済データについて

この1週間は以下の経済データが公表されました。


欧州 インフレーション指数 6月速報値 8.6%(専門家予測8.3〜8.4%、前回8.1%)
予測より高く、前回より0.5%高い数値。

GDPNowアップデート -2.1(前回-1.0%)
さらにマイナス領域を進行。


Source: Federal Reserve Bank of Atlanta GDPNow



GDPNowがアップデートされ、昨日よりさらに低い-2.1になりました。オフィシャルに宣言されるかどうかは置いておいて、すでにリセッションにいるということの表れかもしれません。

この数値に呼応するように、中央銀行のスタンスが緩む期待から金利予測は少し低くなっています。その影響もあって株価が少し上昇しているように見えますが、強いダウントレンドにいるので、3月のようなベアマーケットラリー(※5)になるかどうかは不明です。

これまでよりも国債への資金流入が多く見えますし、一斉に守りに入っているような雰囲気を感じます。短期的な株価の方向性がはっきりしないので、少し様子を見ているのが良さそうです。



今週の主な経済データ
特になし


5. ベアマーケットラリーは、ベアマーケット(長期間下降トレンドが続く時期のマーケットを指します)の中に発生する上昇トレンドで、短期間のうちに強い勢いで株価が上昇します。



S&P500ボラティリティ指数 VIX(※6)



KEY TAKEAWAYS
  • 通常の値動きのチャートであれば強目の下降プレッシャーがあるように見える。
  • VIXの場合はテクニカル分析があてはまらないことが多いので、数値の高さに注意。

6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。




S&P500指数ETF SPY(※7)



KEY TAKEAWAYS
  • もう一度ギャップ(※8)を超えるテストをしているように見える
  • 方向が見えるまで待機が良さそう。


7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。





NASDAQ100指数ETF QQQ(※9)



KEY TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して下がる可能性。


9. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。





 

日本株式ETF EWJ(※10)



KEY TAKEAWAYS
  • 上昇の勢いがありそうに見えるけれど、3週間停滞している。


10. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。





 


ビットコイン米ドルレート BTC/USD


KEY TAKEAWAYS
  • 取引ボリュームが徐々に上がっているので、大きな下落の可能性。
  • チャネルラインの中では下がる余地が残っている。








おまけ


KEY TAKEAWAYS
  • 需要の減退が見込まれているためか、上昇の勢いは弱くなっている。








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