マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - May 25, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - May 25, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。
今回は5月25日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、マクロファクター(※2)のインサイトを提供できればと思っています。

日本時間の深夜に公開された米国中央銀行のFOMC(※3)議事録が投資家の期待どおりの内容だったようで、米国マーケットは全体的に緩和ムードになったようです。米国政策金利の予測も下がる傾向にあります。一方でテクノロジーセクターはまだダメージが深く、船の錨のようにマーケット全体を引き止めているように見えます

日本時間の今晩21:30に、米国のGDP成長率Q1予測値(※4)の改訂と失業申請件数(※5)の公表があります。どちらも専門家の予測の範囲か少し良いくらいであれば、今週は上昇ムードが強くなるかもしれません。というわけで各セクターの状況を見てみましょう!
1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロファクターとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因です。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. FOMCは、Federal Open Market Committeeの略で、米国中央銀行の金融政策決定会合のような位置付けのものです。この会議で政策金利が決定され、QE(金融緩和)やQT(金融引締め)の計画内容と進行状況が話されます。議事録には公表されていない将来の施策や、現在のマーケットの展望などが含まれるため世界の投資機関が注目しています。
4. GDP成長率Q1予測値は、四半期ごとに集計されるGDP(=Gross Domestic Production、国民総生産)の数値が全四半期と比べてどの程度成長したかを表すパーセンテージです。Q1は第一四半期を指し、米国では主に1月〜3月を指します。
5. 失業申請件数は、米国ではInitial Jobless Claimsと呼ばれていて、毎週集計されている失業した方の失業保険申請の申告件数です。この数字は失業率に密接に関係していて、300万件を超えてくると失業率が上昇しやすくなります。



VIX  -3.67%  ▼


S&P500のボラティリティ指数VIX(※6)は、月曜と同じ水準に戻りました。下がる傾向の方が強く見えますが、動きの幅が小さく、数値は歴史的にまだ高い位置にあるので、まだ大きな変動が起こりやすい状態にあります。今晩公表される米国GDP予測値と失業申請件数を待って様子見しているように見えます。公表される数値が予測の範囲内であればさらに低下していくように見えます。
6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は反発のチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。



SPY   +0.88%  

S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、月曜よりやや高いくらいまで上昇しました。10EMA(※8)ラインの下にいるので下落トレンドから抜けていませんが、2週間くらい同じ位置にいて下には落ちていかないので、悪い状況がある程度出尽くして一次的には価格への織り込みが済んでいるように見えます。フィボナッチ(※9)-23.6%ラインの上に出ることができた短期的な上昇トレンドが生まれると思います。今晩の経済指標が驚くほど悪い数値でなければ今週は上昇ムードを維持できそうに見えます。

7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。

8. 10EMAは、ローソク足10本分の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。トレンドのサポートラインとして機能することが多いため、チャート分析でよく使われています。画像の中ではイエローのラインが10EMAにあたります。

9. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。


DIA   +0.59%  


Dow Jones Industrial Average(※10)をトラックするETF DIAは、いまのマーケットをリードしていて、3日連続で上昇しています。取引ボリューム(※11)がとても小さいので、短期的にポジションの入れ替えが盛んではないことを表しています。ちょうどフィボナッチ0%ラインにタッチしているので、やや警戒感を持ちますが、次のローソク足で10EMAラインを上に抜けて、フィボナッチ0%ラインの上に出ることができたら、上昇トレンドに入りそうです。
10. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
11. 取引ボリュームは、売買の金額の大きさを表していて、見ている時間軸での取引ニーズの大きさを表しています。上の画像の中ではチャートの背景に表示されている棒グラフがボリュームを表しています。



QQQ    +1.40%  


NASDAQ100指数(※12)をトラックするETF QQQは、昨日からだいぶ回復してなんとか踏み留まっていますが、月曜より低い位置にいます。安値あたりにあるサポートライン(※13)が強そうなので、次のローソク足でフィボナッチ-23.6%ラインの上に出ることができたら上昇しやすくなると思います。また取引時間終了後に業績不安からNVIDIAの株価が急落していたりするので、過敏でヒステリックな状態は続いていると思います。
12. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
13. サポートラインは、チャートの動きの中で下の支えとして働く価格になります。


IWM    +1.80%  

RUSSEL2000指数(※14)をトラックするETF IWMは、フィボナッチ-23.6%ラインに支えられるように上昇して、月曜より少し高い位置にきました。ここ2週間ほどずっとこのサポートラインに支えられているので、上昇しやすいように見えます。次のローソク足で10EMAラインを上に抜けられれば、上昇トレンドがもう少し確実に見えてくると思います。

14. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国の経済状況を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。


EWJ    +0.21%  


日本株式をトラックするETF EWJ(※15)は、さらに取引ボリュームが低くなり、フィボナッチ-123.6%ラインの上を維持しています。安値が5EMA(※16)ラインにタッチしているので、また上昇できるように見えますが、すぐ上に50EMA(※17)ラインが近づいてきているのは少し警戒感を持ちます。いままでの数か月間ずっと50EMAラインで跳ね返されて下落を続けているので、このラインの上に出ることができたら大きなターニングポイントになりそうです。リセッションヘッジとして日本株のニーズが高くなる傾向がありそうなので、リセッション懸念が後退すると日本株ニーズも後退する可能性があるかもしれません。
15. EWJは日本株式の時価総額の大きい順に上から263社を保有しています。
16. 5EMAは、ローソク足5本分の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。日足の場合は1週間の平均を表し、週足では1か月の平均を表します。画像の中では淡いイエローのラインが5EMAにあたります。
17. 50EMAは、ローソク足50本分の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。日足の場合はおよそ1四半期の平均を表し、週足ではおよそ1年の平均を表すため、チャート分析でよく使われています。画像の中では淡いオレンジのラインが50EMAにあたります。


BTC

ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、相変わらず52週安値ライン付近に留まっています。取引ボリュームが徐々に大きくなっているところをみると、この価格で買ってもいいと思う人が増えてきているように見えます。米国のQT(※18)が終了するまでは大きな上昇はないように見えますが、長期的にはお買い得エリアに入っているので、買う人が絶えないように思います。

18. QTは、Quantitative Tighteningの略で金融引締の意味になります。具体的なアクションとしては中央銀行が政策金利をあげたりマーケットから通貨を回収して、流通通貨の量を減らしていきます。流通している通貨の量が減ると相対的に通貨の購入パワーが上がり、目に見えるところではあらゆるものの価格が下がる効果があります。株式などの資産価額も効果の対象になります。


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