株チャート分析 & 経済データ:下がるのかな?
6月28日のマーケットの経済データとチャート分析をお届けします。
KEY TAKEAWAYS
- 原油価格が再び上がりはじめている。
- 住宅価格が高騰し続けている。
- 株価は下がるパターンを形成。
原油価格の上昇に加えて、住宅価格の上昇が続いていて、どちらもインフレーション指数のウェイトが高いので、さらなる利上げの期待につながります。特に原油価格は他の生産物のコストに広く影響するので、上昇を続ければインフレーションが下がることに期待しにくくなります。
それから、トルコが一転してスウェーデンとフィンランドのNATO加入を支持するようになったので、地政学的リスクの収束に期待がされていると思います。世界が少しずつ安定に向かっていると思いますが、まだまだ荒れる雰囲気があるように感じます。
こと株価にとってはインフレーションが方向を決めているので、原油価格が上がっているうちは株価は下がり続けそうです。
世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットを分析することで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。
1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
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直近の主な経済データについて
この1週間は以下の経済データが公表されました。
米国 卸在庫指数 2% (専門家予測 1.9%、前回 2.3%)
前回に近い数値。
米国 住宅価格指数 21.2% (専門家予測 21%、前回 21.1%)
予測に近い数値。インフレーション高騰に寄与。
住宅価格は高騰し続けていて、インフレーションの高止まりに貢献しています。利上げが止まらない方向に予測が進むので、株価にとっては良くないと思われます。一方、卸在庫は増え続けているので、ゆくゆくは価格を下げる力が働いてくると思います。その前に小売業へのダメージが積もって、小売売上高が最低水準に達する頃に株価もボトムすると期待されます。
今週の主な経済データ
6月29日 独国 インフレーション指数 6月速報値(専門家予測7.9%、前回7.9%)
6月29日 米国 EIA原油備蓄(専門家予測-0.569M、前回1.956M)
6月30日 仏国 インフレーション指数 6月速報値(専門家予測5.5〜5.6%、前回5.2%)
6月30日 独国 失業率 6月(専門家予測5.0%、前回5.0%)
6月30日 欧州 失業率 5月(専門家予測6.8%、前回6.8%)
6月30日 米国 失業保険申請数(専門家予測218K〜227K、前回229K)
6月30日 米国 GDPNowアップデート(前回0.3%)
7月1日 欧州 インフレーション指数 6月速報値(専門家予測8.3%、前回8.1%)
S&P500ボラティリティ指数 VIX(※3)
KEY TAKEAWAYS
- 少し上昇しているけれど、まだ動きは小さい。
- 高い数値なので大きな変動に注意。
3. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。
S&P500指数ETF SPY(※4)
KEY TAKEAWAYS
- ギャップ(※5)の下に落ちるとフィボナッチ(※6)-85.4%ラインまで下がる可能性。
4. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
5. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。
6. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率を出すと61.8%になります。チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いのが特徴です。
NASDAQ100指数ETF QQQ(※7)
KEY TAKEAWAYS
- ギャップの下に落ちると直近最安値を更新する可能性。
7. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
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為替マーケット(FX)のトレンドを見るためのツールです。主要な通貨の値上がり/値下がりの傾向をトレンドラインにして見ることができます。トレードの参考にご覧ください。
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