マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 16, 202

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 16, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月16日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。



KEY TAKEAWAYS
  • 今四半期のGDP推測値が0.0%に下落。
  • スイス中銀+0.5%サプライズ利上げ。
  • 日本国債金利80%急上昇。買うのに忙しくなる日銀。
  • ビットコインのボトムが近づいている可能性。


FOMC(※3)後のにわかな上昇から一転して激しく下降する、狂気的なマーケットになっています。急激な利上げに対する反応としては自然に見えますが、普通じゃない事態にあることが見えます。リセッション(※4)の可能性が上がっていると見る専門家が多いようで、マーケットは最悪を想定して動いているようです。

消費者のセンチメント指数や国債利回りスプレッドを除いて、リセッションは数字に表れていませんが、着々と近づいているようです。今の社会は何度もリセッションを経験しているので、対応にも慣れてきているかもしれませんが、株価はもう少し下がっていきそうです。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!


1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3FOMCは、Federal Open Market Committeeの略で、米国中央銀行の金融政策決定会合のような位置付けのものです。この会議で政策金利が決定され、QE(金融緩和)やQT(金融引締め)の計画内容と進行状況が話されます。議事録には公表されていない将来の施策や、現在のマーケットの展望などが含まれるため世界の投資機関が注目しています。
4. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。




Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD
  • おまけ




直近の主な経済データについて

今週は以下の経済データが公表されました。


豪州 失業率 5月 3.9% (専門家予測 3.8〜3.9%)
先月と変わらない数値でした。少し下がると見ていた専門家もいるようです。

英国 政策金利 1.25% (専門家予測 1.25%)
予測どおり+0.25%の利上げがされました。5回連続の利上げということで、かなり異例の事態だと報道されています。

米国 失業保険申請件数 229K (専門家予測 215〜240K) ※KはThousand=1,000の意。
先月より3,000件少ないですが、ほぼ同じ数値でした。下のチャートは件数をグラフ化したものですが、少し長い期間に渡って上昇し始めていることが懸念材料になっています。

スイス 政策金利 -0.25% (専門家予測 -0.75%) 
スイスの中央銀行はサプライズで利上げをしたようです。マイナス金利ですが、+0.5%の利上げでかなり厳しいスタンスに変わっているようです。利上げを行ったのは2007年以来だそうで、いまの状況に対する危機感が上がっているように見えます。また、この影響で為替マーケット(FX)でもスイスフランが強くなっています。



世界中の中央銀行がインフレーション対策で政策金利を上げていく状況が進んでいます。中央銀行はリアクティブ(状況に対して反応するスタンス)なので、インフレーションがおさまるまで対策を続けていきます。9月あたりまでにインフレーション抑制のサインが見えてきたら、そのあたりから経済が回復ムードに変わっていくかもしれませんが、しばらくはドSの中央銀行にしばかれることになりそうです。



GDP Nowという日々の経済データから当期(現在の四半期)のGDPを推測する数値が0%に到達しています。正式な公表数値がマイナスになると、2四半期連続でマイナスになり、正式にリセッションとアナウンスされます。現実が大きく変わるわけではありませんが、広範囲の人たちに対して心理的な作用があるので、リセッションがアナウンスされると株価にも大きく影響がありそうです。今四半期のGDPが正式に公表されるのは7月末になります。



来週の主な経済データ発表
6月17日 欧州 インフレーション指数(専門家予測 8.1%)







S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※5)は、再び30以上に跳ね上がりました。下降トレンドラインをまたタッチしているので、さらに上にブレイクしそうに見えます。下がるのも上がるのも急変動になってきているので、マーケットがかなり神経質になっているように思います。数値が50に到達するまでは上昇し続けることを覚悟しておくのが良さそうです。


TAKEAWAYS
  • 再び大きく上昇。
  • 50に到達するまで上昇することを警戒。


5. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。






S&P500指数ETF SPY


S&P500指数(※6)をトラックするETF SPYは、直近最安値を更新してフィボナッチ(※7)-85.4%ラインの下まで一気に下がりました10EMA(※8)ラインから離れていますが、下がる勢いがとても強いので、まだ下がっていきそうに見えます。つぎのフィボナッチラインまで間隔があるので、あと5%以上は落ちる余地がありそうです。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して大きく下降。
  • あと5%以上落ちても不思議ではないように見える。


6. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
7. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。
8. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。





ダウ工業指数ETF DIA 


Dow Jones Industrial Average(※9)をトラックするETF DIAは、フィボナッチ-61.8%ラインに拒絶されて、直近最安値を更新して下がっています。フィボナッチラインの上で止まっているので、少し反発の可能性がありそうに見えます。このラインを下に割るとさらに5%くらい下がっても不思議ではないように見えます。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して大きく下降。
  • フィボナッチラインを下に抜けるとさらに大きく下がりそう。


9. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。






NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※10)をトラックするETF QQQは、ギャップ(※11)の下に押し戻されて直近最安値を更新しています。フィボナッチ-61.8%ラインまでさらに落ちる余地が残っているように見えます。2020年-2021年に最も成長したセクターなので、まだ大きく下がりそうです。



TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して大きく下降。
  • フィボナッチ-61.8%ラインまでさらに下がりそう。


10. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
11. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。





RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※12)をトラックするETF IWMは、フィボナッチ-23.6%ラインに拒絶されて、直近最安値を更新して比較的に強く下がっています。取引ボリュームも大きくなっているので、勢いが止まらないように見えます。急激な利上げの影響もあり、経済状況の悪化が表れているように思います。つぎのフィボナッチラインまで間隔があるので、下がる余地はまだありそうです。


TAKEAWAYS

  • 直近最安値を更新して下降。
  • まだ大きく下がる余地がありそう。


12. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。



日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※13)は、ギャップに跳ね返されるように落ちて、直近最安値を更新しています。下がる勢いが強過ぎてボリンジャーバンド(※14)の外にはみ出していたので、内側に戻るために少し値動きが止まっているのかもしれません。フィボナッチラインの下に落ちているので、さらに下がりそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • ギャップに跳ね返されて、直近最安値を更新。
  • さらに下がる可能性。

13. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。
14. ボリンジャーバンドは、チャート分析に使われるテクニカル指標のひとつで、移動平均と標準偏差の組み合わせで構成されています。指定期間の標準偏差を用いて値動きの可能性をラインで表示し、移動平均を挟んで上下に帯のように表示されます。変動可能性が大きい時は幅が広がり、小さい時は狭くなります。狭くなった後は次に大きく動く可能性が高くなります。





ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、また$20,000付近に下がっています。このあたりで買いのニーズとバランスをとって推移しそうに見えます。10週間ほど停滞してから上昇するシナリオを当てはめると、9月くらいから上昇を始めることになります。経済環境が不透明な状態では上がりにくいですが、インフレーションが下がり始めて中央銀行の厳しいスタンスが終わる時期が見え始めたらロケットが点火されると思います。


TAKEAWAYS
  • $20,000付近に近づく。
  • しばらく同じくらいの価格帯で推移する可能性。
  • 9月頃から上昇する希望のシナリオを胸に。






おまけ


日本国債10年の利回りは、急激に上昇して1日で約80%上昇。このような異例な動きは危機的状況の表れのように感じます。史上最大のバブルがまさに弾け飛んでいる最中なので、ある意味当然かもしれませんが、世界中の中央銀行がバランスシートの縮小を始めている影響かもしれません。

一方で日本の中央銀行の黒田さんは無制限に買うと断言しているので、今日は買うのに忙しそうですね。


TAKEAWAYS
  • 日本国債利回りが1日で80%UP。
  • 国債が大量に売却されている影響。
  • 日銀は金利維持のために買うのが忙しくなりそう。





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為替マーケット(FX)のトレンドを見るためのツールです。主要な通貨の値上がり/値下がりの傾向をトレンドラインにして見ることができます。トレードの参考にご覧ください。



リスクオンorオフ

マーケットのセンチメントをはかるためのツールです。リスクオンなのかリスクオフなのかを見るために、米国のETFの日次の値動きと週次の値動きと取引ボリュームをバブルチャートにしています。



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