マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 2, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 2, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

今日は6月2日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。


特にテクノロジーセクターのリバウンドが大きく、全体的に週前半の下降を大きく跳ね返すように上昇しました。バリュエーションと呼ばれる、株価の適正さを測る指標がとても割安を示しているようです

ちょうど分岐点に差し掛かっているように見えますが、どちらに動くにしても今晩の雇用データの公表がトリガーになりそうです。ということで各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。







Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD




直近の主な経済データについて

昨日は以下の公表がありました。


月次ADP雇用件数(※3) 5月 +128K (専門家予測 +205K〜+300K)
専門家の予測の半分近く低い数値だったことが、中央銀行のスタンスが柔らかくなる期待につながっているかもしれません。

週次失業申請件数 200K (専門家予測 210K〜214K)
専門家の予測より低いことが、失業率上昇の懸念を和らげているように思います。過去のデータを見ると300Kを超えてくると失業率が上昇してくるようなので、もう少し余裕があるかもしれません。

週次EIA原油備蓄量 -5.068M (専門家予測 -1.35M)
専門家予測より低く、3週間連続でマイナスになっています。過去のデータを見るとプラスマイナス10Mくらいの幅で変動しているので、実質的な問題は特に無いと思います。ただ、トレーダーの心理には影響するので、マイナスになっていると原油価格は上がりやすいように見えます。



いまマーケットが敏感になっているのは、中央銀行の金融引き締め度合い(政策金利の利上げペース)とその副産物のリセッション(※4)です。昨日の発表から、中央銀行の引き締め度合いはいまの予測より悪くなく、リセッションの進行もまだ見られないという見方になっているのではないかと思います。

加えて、昨日開催されたOPECミーティングで期待以上の原油増産が決まり、OPEC+含めた合計が100万バレル/日ほどになったので、少し安心材料になっているのではないかと考えています。

失業申請件数が以前よりやや多い水準になっているので、リセッションの進行度合いについてマーケットがセンシティブになっていますが、直近数週間では大きな上昇がないため失業率にもおそらく影響がないのではないかと思われます。ただ、先月より0.1%低い3.5%が予測されているので、少し気をつけて見ておくのが良いように思われます。予測通りか先月と同じ3.6%なら来週も上昇トレンドが継続しやすいと思います。また、雇用統計の数字が良過ぎると利上げ予測(※5)が上がり、下がりやすくなると思われます。




今週の主な経済データ発表
6月3日 米国失業率5月 (専門家予測3.5%)
6月3日 米国雇用統計5月 (専門家予測320K〜325K)


3. ADP雇用件数は、米国の非上場企業の雇用件数の変動を測る指標で、およそ2,400万人を対象とする給与支払い履歴から算出する月次データです。
4. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。 
5. 政策金利利上げ予測は、CME Groupが提供しているFed Watch Toolで表示される将来の金利予測を指します。この予測値は金利の先物価格の推移から計算されているため、投資家の推測値の指標となっています。






S&P500ボラティリティ指数 VIX  -3.78%  ▼


S&P500のボラティリティ指数VIX(※6)は、5月の最低値を下回り、少しずつですが緊張が和らいでいるようです。ちょうど分岐点に分岐点に来ているように見えるので、今日の取引時間でさらに下がれば来週も株価は上がりやすくなると思います

6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は反発のチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。




S&P500指数ETF SPY   +1.90%  △


S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、もう一度チャレンジするように50EMA(※8)ラインまで上昇しています。フィボナッチ(※9)0%ラインはかなり強いレジスタンスライン(※10)なので、いまがちょうど分岐点に見えます

7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では5EMA(淡いイエロー)、10EMA(イエロー)、25EMA(淡いオレンジ)、50EMA(オレンジ)、100EMA(淡いレッド)、200EMA(レッド)を表示しています。
9. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。
10. レジスタンスラインは、値動きの波が跳ね返りやすい上限の価格です。過去の値動きで山や谷になっているところと重なることが多く、逆方向の指し値注文が入りやすいところと見られます。






ダウ工業指数ETF DIA   +1.90%  △


Dow Jones Industrial Average(※11)をトラックするETF DIAは、50EMAラインを再チャレンジするように上昇しています。昨日の高値を更新していないので、レジスタンスラインが強いことを示しています。上昇の勢いはあるので、本日の経済データで落胆することがなければ上昇トレンドが続くように見えます。

11. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。






NASDAQ100指数ETF QQQ    +2.74%  △


NASDAQ100指数(※12)をトラックするETF QQQは、昨日の高値を更新して上昇しています。すぐ上にはフィボナッチ0% ラインと50EMAラインとボリンジャーバンド(※13)が重なっているので、レジスタンスラインが強いと思われます。このラインを越えることができたら上昇トレンドの強さが証明されるように思います。ちょうど分岐点なので、いまは慎重なスタンスが良いように見えます。

12. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
13. ボリンジャーバンドは、チャート分析に使われるテクニカル指標のひとつで、移動平均と標準偏差の組み合わせで構成されています。指定期間の標準偏差を用いて値動きの可能性をラインで表示し、移動平均を挟んで上下に帯のように表示されます。変動可能性が大きい時は幅が広がり、小さい時は狭くなります。狭くなった後は次に大きく動く可能性が高くなります。



RUSSEL2000指数ETF IWM    +2.44%  △


RUSSEL2000指数(※14)をトラックするETF IWMは、とうとうフィボナッチ0%ラインの上に頭を出しました。NASDAQ100指数に続いて勢いが強いです。50EMAラインにラインにあたっているので、今日の取引時間で上に抜けられたら来週も上昇が続くように見えます。

14. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。


日本株式ETF EWJ    +1.02%  △


日本株式をトラックするETF EWJ(※15)は、50EMAラインを再チャレンジしています。昨日の値動きの幅の中に収まっているので勢いがあるようには見えませんが、少しずつ上昇していくかもしれません。50EMAラインを上に抜けられたら、昨年9月から続く下降トレンドを打ち破ることになるので、グリーンの下降トレンドラインを上に抜ける可能性が出てくると思います

15. EWJは日本株式の時価総額の大きい順に上から263社を保有しています。




ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、52週安値ラインの下に落ちないで踏みとどまっています。1か月の間ずっと買い支えられているということは、相当な買いのニーズがある状態だと思います。リセッションヘッジにはなりにくいので、すぐに最高値を更新するような上昇トレンドは生まれにくいと思いますが、毎月少しずつ買うのに良い時期は続いていると思います。


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