チャート & データ 6月22日:もっとあがる?

チャート & データ Daily : 2022年6月22日


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月22日のマーケットレビュー をお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。


KEY TAKEAWAYS
  • 原油価格が大きく低下。
  • 全体的にほとんど変らず、やや下がっている傾向。
  • 原油と一緒に株式指数が下がる可能性に注意。


全体的に昨日とほとんど変らないところで止まっているマーケット。原油価格は大きく下がっているので、数か月先のインフレーション低下に期待ができそうです。一方、過去のリセッション(※3)時期のデータを見ると、原油価格が大きく下がる時に株価も同じように下がっていくので、少し注意が必要かもしれません。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。




Table of Contents




直近の主な経済データについて

昨日は以下の経済データが公表されました。


英国 インフレーション指数 5月 9.1%  (専門家予測 9.1〜9.2%)
予測どおりの数値ですが、最高値を更新しています。先月から+0.1%なので、上昇が緩んでいるように見えますが、12月と1月も+0.1%だったのに2月は+0.7%と大きく上がっていたので、下がるまで安心しない方が良さそうです。

加国 インフレーション指数 5月 7.7% (専門家予測 7.0〜7.4%)
予測を超えて上昇していて、40年来の高さに到達しています。


世界中でインフレーションは上がり続けています。新しい事実ではないのでマーケットに大きなショックはないと思いますが、中央銀行の厳しいスタンスが継続する状況は変わっていないため、楽観ムードになりにくいように思います。また、APIによる石油備蓄量は予測を大きく超えて上昇しているため、経済の鈍化が表れていると思われます。

本日は各国からPMI(※4)が公表されます。それから米国の失業保険申請件数が公表されます。予測を大きく下回らなければ株価が大きく下落することは無さそうですが、ポジティブな予測は出ていないので、投資家のセンチメントが大きく改善するタイミングにはならないように思います。



今週の主な経済データ
6月23日 世界 景気指数(PMI) 6月速報値(専門家予測 先月より低下)
6月23日 米国 失業保険申請数(専門家予測 225K〜227K)
6月24日 日本 インフレーション指数(専門家予測 2.3%)
6月24日 英国 小売売上指数 5月(専門家予測 -0.9〜-0.3%)
6月24日 米国 EIA原油備蓄(専門家予測 --)
6月24日 米国 新規住宅販売数 5月(専門家予測 0.585M)MはMillion=100万の意。


4. PMIは、Purchase Manager Indexの略で、各企業の役員に調査して集計される景気指数です。米国では毎月数百社に調査が行われ、新規注文、生産、仕入れ、雇用、支出について算出されます。50以上で成長、50以下で減退を示します。



S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※5)は、下降トレンドラインに当たってからじわじわ下がっています。先週の緊張感はだいぶ緩和されているように見えますが、50EMA(※6)ラインで反発する可能性もあるので、注意しておいたほうが良さそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • 下降トレンドラインにタッチしてから徐々に低下中。
  • 50EMAラインで反発するのを警戒。


5. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。
6. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。




S&P500指数ETF SPY



S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、フィボナッチ(※8)-85.4%ラインでサポートされて昨日と同じ場所で止まっています。勢いが強くなる材料がないと上にある厚めのギャップを抜けるのは難しく見えます。下にあるフィボナッチラインを割ると直近最安値を更新して下がっていきそうです。


TAKEAWAYS
  • ギャップに阻まれて停滞。
  • 上のギャップを抜けるには強力な材料が必要。


7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。




ダウ工業指数ETF DIA 



Dow Jones Industrial Average(※9)をトラックするETF DIAは、フィボナッチ-61.8%ラインにタッチした後、ギャップ(※10)の上に戻っています。上のギャップはかなり厚いうえに、フィボナッチラインと重なっているので、レジスタンスライン(※11)が強そうに見えます。ここで跳ね返ってフィボナッチ-85.4%ラインを下に抜けるとベアマーケット(※12)領域に入るため、さらに大きく下がりそうです。


TAKEAWAYS
  • フィボナッチ-61.8%ラインで跳ね返って下がりそう。
  • ベアマーケット領域が近いので警戒。


9. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
10. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。
11. サポート&レジスタンスラインは、値動きの波が跳ね返りやすい価格で引いた水平線です。過去の値動きで山や谷になっているところと重なることが多く、逆方向の指し値注文が入りやすいところと見られます。
12. ベアマーケットは、長期的に下降トレンドが続く時期を指し、正式には直近の史上最高値から20%以上下がった価格帯まで下がっている状態を指します。





NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※13)をトラックするETF QQQは、昨日と変わらずギャップの下で止まっています。取引ボリュームが上がっているので、投機的に上昇を見込んでいる人が増えているかもしれません。投機ボリュームが増えると上昇の勢いになりますが、下降の勢いにもなるため注意が必要に見えます。いまのところギャップを超えるのが大変そうなので、跳ね返って下がりそうに見えます。



TAKEAWAYS
  • 昨日と変わっていない。
  • ギャップで跳ね返って下がりそうに見える。


13. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。




 


RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※14)をトラックするETF IWMは、昨日と変わらないところにいます。ギャップを抜けられないので、下がりそうに見えます。


TAKEAWAYS

  • 昨日と変わらないところにいる。
  • ギャップで跳ね返って下がりそう。


14. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。




 

日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※15)は、あまり変わっていませんが、じわじわ下がり始めているかもしれません。フィボナッチラインに届かず、高値も安値も昨日より低いので、勢いが弱くなっているように見えます。


TAKEAWAYS
  • じわじわ下がりはじめた可能性。
  • 勢いが弱くなっている。

15. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。





 


ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、$20,000付近で停滞を続けています。特に状況は変わっていないため、$18,000〜$22,000の間の推移が続きそうに見えます。悪いニュースが出たりすると$12,000あたりに下がるかもしれませんが、いまのところ大きな動きは無さそうに見えます



TAKEAWAYS
  • $20,000付近で停滞。
  • しばらく$18,000〜$22,000の間で推移しそう。



米ドル指数 DXY


米ドルと他主要通貨のバランスを表す指数 DXY(※16)は、ほとんど動かずフラットな状態になっています。短期的な下降トレンドラインを上に抜けそうなので、再び上昇をはじめるかもしれません。


TAKEAWAYS
  • ほとんど動かずフラットな状態。
  • 短期的な下降トレンドが終わる可能性。



16. DXYは、米ドルと他の主要通貨との価格のバランスを表した指数です。他の通貨は、ユーロ(57.6%)、日本円(13.6%)、イギリスポンド(11.9%)、カナダドル(9.1%)、スウェーデンクローナ(4.2%)、スイスフラン(3.6%)の6つです。



おまけ


米国原油ETF USOは、50EMAラインを下に抜けて大きく下がっています。50EMAラインを割るのは昨年の12月以来はじめてのことなので、大きなできごとだと思います。原油価格が下がればインフレーションが抑制され、中央銀行による政策金利の利上げを緩和させることに繋がるので、とてもポジティブなことです。

一方で、原油価格が急激に下がることは経済の鈍化を示しているので、株式指数が一緒に下がって行くことを警戒したほうが良さそうに見えます。



TAKEAWAYS
  • 50EMAラインを割って大きく下降。
  • 50EMAラインを割るのは昨年12月以来はじめて。
  • 株式指数が一緒に下がることを警戒。







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