マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 15, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 15, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月15日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。



KEY TAKEAWAYS
  • 米中銀の厳しいスタンスで上昇するドMマーケット。
  • 原油価格が下がり、株価は一時的に回復傾向。
  • ビットコインは$20,000付近に到達。


FOMC(※3)のプレスカンファレンスが開催され、安定したパウエル議長のスピーチの効果もあり、マーケットは回復傾向にあります。金利は大幅に上げられて、経済の見通しも大幅に悪化しているのに、株価が上昇しているのはドMにしか見えませんが、新しいベアマーケットラリー(※4)がはじまっているようなので、トレンドに乗るのもありかもしれません。

先行しているように見える日本株ETFのEWJ(※5)に大きなボリュームがあったようなので、短気的には上昇に期待しても良さそうです。今晩の失業申請件数が驚くほど悪くなければ、もう少し上昇しそうです。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3FOMCは、Federal Open Market Committeeの略で、米国中央銀行の金融政策決定会合のような位置付けのものです。この会議で政策金利が決定され、QE(金融緩和)やQT(金融引締め)の計画内容と進行状況が話されます。議事録には公表されていない将来の施策や、現在のマーケットの展望などが含まれるため世界の投資機関が注目しています。
4. ベアマーケットラリーは、ベアマーケット(長期間下降トレンドが続く時期のマーケットを指します)の中に発生する上昇トレンドで、短期間のうちに強い勢いで株価が上昇します。
5. EWJは、日本株式の時価総額の上位263社を保有する米国市場に上場しているETFです。




Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD
  • おまけ




直近の主な経済データについて

今週は以下の経済データが公表されました。


米国 小売売上指数 5月 -0.3% (専門家予測 0.2〜0.3%)
予測より低く、縮小傾向にあります

米国 政策金利 1.75% (専門家予測 1.5〜1.75%)
噂どおり+0.75%の利上げがされました。1994年以来の大幅な利上げと言われています。パウエル議長もインフレーション対策が最優先と語っているので、対策として必要なアクションと思われます。

米国 EIA石油備蓄 1.956M (専門家予測 -1.314M) ※MはMillion=100万の意。
予測とは反対に増加していて、原油価格の抑制に貢献しているように見えます。

米国 FOMCプレスカンファレンス
FOMCプレスカンファレンスでパウエル議長はいまの経済が強いということを淡々と語っていました。実質GDPは堅調で、失業率も40年来の低さを保っていて、雇用環境も需要が多く堅調だそうです。

米国中央銀行もインフレーションや経済活動の見込みは3月よりだいぶ悪くなっているようで、FOMCの後に公表された経済の見通しを見ると、2024年までは経済が低迷すると考えているようです。

下の画像は3月時点の見込み(点線)と6月現在の見込み(ブルーの棒グラフ)の違いを表したものです。

インフレーションの見通し

失業率の見通し

GDPの見通し

政策金利の見通し

Source: BOARD OF GOVERNORS of the FEDERAL RESERVE SYSTEM 

インフレーションは想定より長く続き、GDPも2023年まで低迷する見込みに大きくシフトしています。その結果、2024年には失業率が4.0%まで上がると考えているようです。経済の見通しはかなりネガティブです。

一方で、投資家の金利予測よりも中央銀行メンバーの金利の想定が低く、これがきっかけで利上げの織り込み過ぎから株価が少し回復しているように見えます。また、原油価格が徐々に下がってきているので、インフレーションの抑制に期待が高まっていると思います。今晩公表される失業申請件数が大幅に増加していなければ、もう少し上昇が継続しそうです。



来週の主な経済データ発表
6月16日 豪州 失業率5月(専門家予測 3.8%〜3.9%
6月16日 英国 政策金利(専門家予測 1.25%
6月16日 米国 失業申請件数(専門家予測 215K〜240K)
6月17日 欧州 インフレーション指数(専門家予測 8.1%)







S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※6)は、FOMCをきっかけに30以下まで下がりました。上昇トレンドに入っているので、また何かのきっかけで大きくスパイクする可能性が高い状況に見えます。数値はまだ高いので急激な変動に注意が必要な状態を示しています。


TAKEAWAYS
  • FOMC後に大きく低下。
  • まだ数値は高いので注意が必要。


6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。






S&P500指数ETF SPY


S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、ギャップ(※8)の下まで回復しています。安値も高値も前日より高いので上昇方向に動いていますが、大きな動きではないので慎重に見るのが良さそうです。長期的には少しずつ買うのに良いチャンスと思われますが、短期でレバレッジを多くするのはまだ危なく見えます。フィボナッチ(※9)-61.8%ラインを上に抜けることができたら、しばらく上昇できそうです。


TAKEAWAYS
  • フィボナッチラインを超えたら上昇が継続しそう。
  • 短気的にはまだリスクが高く見える。


7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。
9. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。





ダウ工業指数ETF DIA 


Dow Jones Industrial Average(※10)をトラックするETF DIAは、少し回復しています。フィボナッチ-61.8%ラインの下で止まっているので、上に抜けることができればもう少し上昇できそうです。ちょうどギャップの下で止まっているので、もう少し強い勢いが必要に見えます。


TAKEAWAYS
  • ギャップの下まで回復。
  • フィボナッチラインを超えたら上昇が継続しそう。


10. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。






NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※11)をトラックするETF QQQは、他の指数と比べて強く回復しています。ギャップの中に食い込んでいるので、このまま上に抜けることができれば、つぎはフィボナッチ-23.6%ラインがターゲットになると思われます。



TAKEAWAYS
  • 比較的強めに回復。
  • もう少し上昇を継続しそう。


11. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。





RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※12)をトラックするETF IWMは、少し回復しています。フィボナッチ-23.6%ラインに当たっているので、上に抜けられればもう少し上昇すると思います。取引ボリュームが少し上がっているので、上に抜けられるかもしれません。


TAKEAWAYS

  • 少し回復してフィボナッチラインに到達。
  • 取引ボリュームが少し増えているので、ギャップを抜けることをやや期待。


12. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。



日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※13)は、ギャップの下まで回復しています。取引ボリュームが比較的大きいので、ギャップを上に抜けて上昇できるかもしれません。もしギャップに跳ね返されたら最安値を更新して下がっていくように見えます。


TAKEAWAYS
  • ギャップの下まで回復。
  • 取引ボリュームが増加しているので、上昇の可能性。

13. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。





ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、昨日に続き値動きは小さく取引ボリュームが上がっているので、買いニーズにより急激な下降が止まっているように見えます。しばらく同じくらいの価格帯で推移するかもしれません。安値が$20,000までもう少しなので、買う人がさらに増えそうです。


TAKEAWAYS
  • 急激な下降を停止。
  • 買っている人が増えているように見える。
  • しばらく同じくらいの価格帯で推移する可能性。






おまけ


米国原油ETF USOは、先週中旬から徐々に下降して10EMA(※14)ラインを下に抜けています。スムーズな下がり方ではありませんが、連続して5日間くらい下がっているので、これまでの一時的な下がり方とは違うように見えます。

まだ上昇トレンドの高い位置にいるので、50EMAラインでまた上昇に転じるかもしれません。それでも原油価格が下がることはインフレーションの抑制に直結するので、株価が回復するポジティブなサインと見ても良いように思います。

一方で、リセッション(※15)の懸念が無くなったわけではないので、完全に楽観的になるのは早いように思います。過去のデータを見ると、リセッションが到来する場合、原油価格の下落と共に株価も下落し、失業率が跳ね上がっています。なので、リセッションの懸念を頭の片隅に置きながら株価上昇トレンドの波に乗るのが良い気がします。


TAKEAWAYS
  • 10EMAラインを抜けて下降中。
  • 原油価格の下落は株価の回復に良い影響。
  • リセッションの心配もまだキープ。

14. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。
15. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。



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FXモメンタムガイド

為替マーケット(FX)のトレンドを見るためのツールです。主要な通貨の値上がり/値下がりの傾向をトレンドラインにして見ることができます。トレードの参考にご覧ください。



リスクオンorオフ

マーケットのセンチメントをはかるためのツールです。リスクオンなのかリスクオフなのかを見るために、米国のETFの日次の値動きと週次の値動きと取引ボリュームをバブルチャートにしています。



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