マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 21, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 21, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月21日のマーケットレビュー をお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。


KEY TAKEAWAYS
  • 回復の動きが小さいので再び下がり始めることを警戒。
  • 米国金利予測(※3)はやや高い方にシフトし続けている。
  • 原油価格は下がる方向を維持。
  • ビットコインは$20,000付近で推移。


嵐の後は少し回復を見せていますが、動きが小さいので再び下がりはじめそうに見えてしまいます。米国金利予測も株価の回復とは反対に高い方にシフトしているので、投資家たちは楽観的になっていないように見えます。

一方、原油価格は今のところ下がる方向を維持しているように見えるので、このまま下がり続けてインフレーション指数がピークアウトすることに期待ができます。


ということで、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. 米国金利予測は、CME Groupが提供しているFed Watch Toolで表示される将来の金利予測を指します。この予測値は金利の先物価格の推移から計算されているため、投資家の推測値の指標となっています。




Table of Contents




 

直近の主な経済データについて

昨日は以下の経済データが公表されました。


豪州 中央銀行議事録
これから会合の度に利上げし、現在の0.85%から年末には2%以上に到達する見込みであることが話されているようです。各国の中央銀行が0.5%以上の利上げを行なっていることに対して、オーストラリアの中央銀行は0.25%ごとの利上げを維持するスタンスが明らかになりました。

米国 現存住宅販指数 5月 5.41M (専門家予測 5.3〜5.39M)MはMillion=100万の意。
予測よりやや多い数値でしたが、今年の1月から着実に減少していて、今年の中では最低水準になっています。

Source: TRADINGECONOMICS



比較的柔らかいスタンスの中央銀行と言われているオーストラリアの中央銀行も、年内は会合の度に利上げしていくスタンスを表明したことがインフレーションの深刻さを表しているように思います。

米国の住宅販売数が減少しているのは、住宅マーケットのサイクルでダウントレンドが始まったと言われていることの表れに見えます。住宅マーケットは株式マーケットよりゆっくり動くと言われていて、株式マーケットの下落を追いかけるように下がり始めているようです。2〜3年かけて20%前後下がっていくと言われています。

本日はイギリスとカナダのインフレーション指数が公表されます。中央銀行のスタンスに影響するものなので、やや注意が必要と思います。それから明日の各国PMI指数(※4)が予測どおり低くなった場合のGDPNow(※5)の数値に注意が必要と思います。PMI公表後のGDPNowの数値がマイナスを示すとマーケットのセンチメントが下がっていく可能性が高いと思われます。


米国金利予測が高い方にシフトし続けているので、株価が少し回復したとしても投資家たちは楽観的になっていないと思われます。



今週の主な経済データ
6月22日 英国 インフレーション指数 5月(専門家予測 9.1〜9.2%
6月22日 加国 インフレーション指数 5月(専門家予測 7.0〜7.5%
6月23日 世界 景気指数(PMI) 6月速報値(専門家予測 先月より低下)
6月23日 米国 失業保険申請数(専門家予測 225K〜227K)
6月24日 日本 インフレーション指数(専門家予測 2.3%)
6月24日 英国 小売売上指数 5月(専門家予測 -0.9〜-0.3%)
6月24日 米国 EIA原油備蓄(専門家予測 --)
6月24日 米国 新規住宅販売数 5月(専門家予測 0.585M)MはMillion=100万の意。


4. PMIは、Purchase Manager Indexの略で、各企業の役員に調査して集計される景気指数です。米国では毎月数百社に調査が行われ、新規注文、生産、仕入れ、雇用、支出について算出されます。50以上で成長、50以下で減退を示します。
5. GDPNowは、米国中央銀行アトランタ支局が提供するレポートで、日々の経済データを元に現在の四半期のGDP推測値を算出するものです。正式な予測値ではありませんが、向かっている方向を探る手掛かりになっています。


 

S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※6)は、下降トレンドラインに当たってから少し下がっています。50EMA(※7)ラインまで下がる可能性もありますが、30以上の高い数値をキープしているので、急激な変動に注意が必要です。数値が50以上に達するまでは安心しきると危ないように見えます。


TAKEAWAYS
  • 高い数値をキープしているので、急激な変動に注意。
  • 50以上にスパイクするまで警戒。


6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。
7. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。



 


S&P500指数ETF SPY



S&P500指数(※8)をトラックするETF SPYは、先週の激しい下落から少し回復しています。先週できたギャップ(※9)の上に顔を出していますが、すぐ上に大きなギャップがあり、フィボナッチ(※10)-61.8%ラインがあるので、下向きに跳ね返りやすいように見えます。大きな動きに見えないので、トレンドの転換はまだ期待しにくいと思います。


TAKEAWAYS
  • 先週から少し回復。
  • 動きが小さいので、再び下がりそうに見える。


8. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
9. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。
10. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。




ダウ工業指数ETF DIA 


Dow Jones Industrial Average(※11)をトラックするETF DIAは、フィボナッチ-85.4%ラインでバウンドするように、フィボナッチ61.8%ラインの下までジャンプしています。大きなギャップとフィボナッチ-61.8%ラインが重なっているので、とても跳ね返りやすく見えます。仮に上に抜けられるとしたらかなり強い勢いの上昇になるように思います。ベアマーケット(※12)領域が近いので、警戒しておいたほうが良さそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • 下向きに跳ね返りやすく見える。
  • ベアマーケット領域が近いので警戒。


11. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
12. ベアマーケットは、長期的に下降トレンドが続く時期を指し、正式には直近の史上最高値から20%以上下がった価格帯まで下がっている状態を指します。




 


NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※13)をトラックするETF QQQは、先週水曜と同じようにギャップの中に顔を埋めたようになっています。このギャップを上に抜けてから下がるか、ここで下がるかのどちらかになるように見えます。フィボナッチ-61.8%ラインまで下がったら、少し反発するかもしれません。



TAKEAWAYS
  • ギャップで跳ね返って下がりそうに見える。


13. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。




 


RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※14)をトラックするETF IWMは、先週から少し回復してギャップの下で止まっています。このギャップを抜けてフィボナッチ-23.6%ラインで跳ね返るか、ギャップを抜けずに跳ね返るか、どちらかになりそうに見えます。ちょうど5月中旬のベアマーケットラリー(※15)が始まったあたりのボトム(※16)に達しているので、跳ね返りやすそうな位置にいます。


TAKEAWAYS

  • 跳ね返って下がりやすそうに見える。


14. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
15. ベアマーケットラリーは、ベアマーケット(長期間下降トレンドが続く時期のマーケットを指します)の中に発生する上昇トレンドで、短期間のうちに強い勢いで株価が上昇します。
16. ボトムとは、英語のBottomの意味で、一番底のことを表しています。株式マーケットの話題の中では、下降トレンドが上昇トレンドに変わる節目を指して使われます。上昇トレンドに切り替わる一番安い価格を指してボトムと呼びます。



 

日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※17)は、先週から少し回復していますが、とても弱い動きに見えます。すぐ上にあるフィボナッチラインのあたりで、再び下方向に跳ね返る確率が高そうです。すぐ上にあるギャップを上に抜けるには、マーケットのセンチメント※18)が大きくポジティブになる必要があるように思います。


TAKEAWAYS
  • 再び下降を始めそうに見える。

17. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。
18. センチメントとは、心理的な状態を指し、楽観的=ポジティブか悲観的=ネガティブかを見ます。ファイナンシャルマーケットの話題の中では投資家の心理状態を指して使われます。ポジティブな時は株価などが上昇する方向に動きやすく、リスクの高いアセットが好まれます。反対にネガティブな時は下降する方向に動きやすく、リスクの高いアセットが嫌われます。




 


ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、$20,000付近で停滞しています。しばらく$18,000〜$22,000の間で推移しそうに見えます。$12,000が現実的と見る専門家もいるようなので、何かをきっかけにもう一段下に下がるかもしれません。何れにしても大きく回復するのは、中央銀行のQT(※19)終了目処が見え始める年末以降になりそうです。



TAKEAWAYS
  • $20,000付近で停滞。
  • 何かをきっかけに$12,000付近まで下がる可能性。
  • 大きく回復するのは年末以降の見込み。

19. QTは、Quantitative Tighteningの略で量的緩和の逆の意味になります。具体的なアクションとしては中央銀行が保有資産を売却し、マーケットの流通通貨量を減らしていきます。流通している通貨の量が減ると相対的に通貨の価格=購入パワーが上がり、目に見えるところではあらゆるものの価格が下がる効果があります。株式などの資産価額も効果の対象になります。
 


米ドル指数 DXY


米ドルと他主要通貨のバランスを表す指数 DXY(※20)は、この1週間ほど下がり続けています。上昇トレンドラインのあたりまで下がるかもしれません。ただ、上昇トレンドの中にいるので、上昇方向に動きやすいと思います。


TAKEAWAYS
  • 1週間ほど下降を続けている。
  • 上昇トレンドラインまで下がる可能性。
  • 上昇トレンドの中にいるので、再び上がりやすい。



20. DXYは、米ドルと他の主要通貨との価格のバランスを表した指数です。他の通貨は、ユーロ(57.6%)、日本円(13.6%)、イギリスポンド(11.9%)、カナダドル(9.1%)、スウェーデンクローナ(4.2%)、スイスフラン(3.6%)の6つです。



 

おまけ


米国原油ETF USOは、50EMAラインで大きく反発せず下がる方向を維持しているように見えます。50EMAラインを下に抜けて、上昇トレンドラインを割ったら本格的に下がっていきそうです。下がり続けてくれれば、7月以降インフレーション指数が徐々にピークアウトする可能性が出てきます。



TAKEAWAYS
  • 下がる方向を継続中。
  • 50EMAラインで大きく反発していない。
  • 上昇トレンドラインを割ると大きく下がる可能性。







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