株チャート&データ : 2022年6月23日

チャート&データ : 2022年6月23日




はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月23日のマーケットレビュー をお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。


KEY TAKEAWAYS
  • 原油価格はさらに低下。
  • ベアマーケットラリー(※3)が続くかどうかの境目。
  • 国債が買われている。


全体的に今週は同じくらいの価格帯で停滞しています。ちょうど強いレジスタンスライン(※4)にぶつかっているように見えるので、ベアマーケットラリーが続くかどうかの境目にいるように見えます。

原油価格は下がり続けているので、インフレーションが低下することに期待ができます。各国のPMI(※5)を見ると予想どおり下がっていて、経済の鈍化が表れています。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. ベアマーケットラリーは、ベアマーケット(長期間下降トレンドが続く時期のマーケットを指します)の中に発生する上昇トレンドで、短期間のうちに強い勢いで株価が上昇します。
4. サポート&レジスタンスラインは、値動きの波が跳ね返りやすい価格で引いた水平線です。過去の値動きで山や谷になっているところと重なることが多く、逆方向の指し値注文が入りやすいところと見られます。
5. PMIは、Purchase Manager Indexの略で、各企業の役員に調査して集計される景気指数です。米国では毎月数百社に調査が行われ、新規注文、生産、仕入れ、雇用、支出について算出されます。50以上で成長、50以下で減退を示します。



Table of Contents




直近の主な経済データについて

昨日は以下の経済データが公表されました。


豪州 製造景気指数(PMI) 6月速報値 55.8  (専門家予測 55)
予測より少し良く、先月より0.1pt上昇しています。

仏国 製造景気指数(PMI) 6月速報値 51  (専門家予測 54〜54.2)
予測より悪く、先月比-3.6pt

独国 製造景気指数(PMI) 6月速報値 52  (専門家予測 53.7〜54)
予測より悪く、先月比-2.8pt

欧州 製造景気指数(PMI) 6月速報値 52  (専門家予測 53.9〜54)
予測より悪く、先月比-2.6pt

英国 製造景気指数(PMI) 6月速報値 53.4  (専門家予測 53.7〜54.2)
予測より悪く、先月比-1.2pt

米国 製造景気指数(PMI) 6月速報値 52.4  (専門家予測 56)
予測より悪く、先月比-4.6pt

米国 米国失業申請件数 229K  (専門家予測 227K)
予測より多く、先月比-3K


各国からPMIが公表され、予測を下回る結果でした。50を界に成長と減退を表す数値なので、世界の経済はかなり鈍化してきていることが表れています。悪くなることは予測されていたので、明るいニュースではありませんがマーケットは静かに受け入れているように見えます。

特に米国のPMIはGDPNow(※6)の数値に影響があると思われるため、次にGDPNowがアップデートされる来週月曜(米国時間なので日本時間の月曜夜)は注意が必要です。現在は0.0を示しているので、少し悪くなるとマイナスになり、数値でリセッションが見えるようになってきます。

速報値なのでオフィシャルの数値ではありませんが、実際にマイナスの数値が出るとメディアで取り上げられて、多くの人が認識するようになります。予測されているとは思いますが、マーケットのセンチメント(※7)は下がるような気がします。



今週の主な経済データ
6月24日 日本 インフレーション指数(専門家予測 2.3%)
6月24日 英国 小売売上指数 5月(専門家予測 -0.9〜-0.3%)
6月24日 米国 EIA原油備蓄(専門家予測 --)
6月24日 米国 新規住宅販売数 5月(専門家予測 0.585M)MはMillion=100万の意。


6. GDPNowは、米国中央銀行アトランタ支局が提供するレポートで、日々の経済データを元に現在の四半期のGDP推測値を算出するものです。正式な予測値ではありませんが、向かっている方向を探る手掛かりになっています。
7. センチメントとは、心理的な状態を指し、楽観的=ポジティブか悲観的=ネガティブかを見ます。ファイナンシャルマーケットの話題の中では投資家の心理状態を指して使われます。ポジティブな時は株価などが上昇する方向に動きやすく、リスクの高いアセットが好まれます。反対にネガティブな時は下降する方向に動きやすく、リスクの高いアセットが嫌われます。



S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※8)は、下がる傾向にありますが、昨日からはほとんど動きがなく、変動が少なかったようです。大きく下がるともう少し安心感が出ますが、ほとんど動いていないのでまだ警戒しておいたほうが良さそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • ゆっくり下がっている。
  • 50EMAラインあたりでスパイクするのを警戒。


8. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。




S&P500指数ETF SPY



S&P500指数(※9)をトラックするETF SPYは、ギャップ(※10)の下で止まっています。このギャップを抜けられたらしばらく上昇できると思います。ボトムを作る強い勢いがまだ見えないので、楽観的になりにくいと思います。


TAKEAWAYS
  • ギャップの下で止まっている。
  • ボトムを作る強い勢いがまだ見えないので心配。


9. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
10. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。




ダウ工業指数ETF DIA 


Dow Jones Industrial Average(※11)をトラックするETF DIAは、少し上昇してフィボナッチ(※12)-61.8%ラインの下で止まっています。ここが強めのレジスタンスラインに見えるので、抜けられるかどうかの境目にいると思います。上に抜ける勢いがあれば、ギャップを抜けてフィボナッチ23.6%ラインまで上昇できそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • フィボナッチ-61.8%ラインを上に抜けられたらしばらく上昇できそう。


11. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
12. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率を出すと61.8%になります。チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いのが特徴です。





NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※13)をトラックするETF QQQは、少し上昇してギャップの中で止まっています。ちょうどレジスタンスラインに当たっているように見えます。強い勢いでギャップを上に抜ければ、フィボナッチ-23.6%ラインまで到達しそうです。ギャップの下に落ちると直近最安値を更新して下がりそうに見えます。



TAKEAWAYS
  • 少し上昇してギャップの中にいる。
  • 強い勢いがあればもう少し上昇できそう。


13. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。




 


RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※14)をトラックするETF IWMは、少し上昇してギャップの上に顔を出しています。上に抜ければフィボナッチ-23.6%ラインまで上昇しそうです。ギャップの下に落ちると、直近最安値を更新してさらに下がりそうに見えます。


TAKEAWAYS

  • もう少しでギャップを上に抜けられそう。
  • ギャップの下に落ちると直近最安値を更新して下がりそう。


14. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。




 

日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※15)は、フィボナッチラインの下で止まっています。上に抜けられればもう少し上昇しそうですが、雰囲気的には下がりそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • フィボナッチラインを上に抜ければもう少し上昇できそう。
  • 下がりそうな雰囲気。

15. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。





 


ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、引き続き$18,000〜$22,000の間で動いています。予想外の悪いニュースが出るまでは、ここで安定しそうです



TAKEAWAYS
  • しばらく$18,000〜$22,000の間で推移しそう。





おまけ


米国原油ETF USOは、50EMA(※16)ラインで跳ね返されるように下がっています。昨年末から続いている下降トレンドラインを下に抜けそうなので、さらに下がっていきそうです。インフレーションが下がることに期待が集まっているように見えます



TAKEAWAYS
  • 昨年12月から続いている下降トレンドラインを割って下がりそう。
  • インフレーションが下がることに期待。


16. EMAは、Exponential Moving Averageの略で、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。





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FXモメンタムガイド

為替マーケット(FX)のトレンドを見るためのツールです。主要な通貨の値上がり/値下がりの傾向をトレンドラインにして見ることができます。トレードの参考にご覧ください。



リスクオンorオフ

マーケットのセンチメントをはかるためのツールです。リスクオンなのかリスクオフなのかを見るために、米国のETFの日次の値動きと週次の値動きと取引ボリュームをバブルチャートにしています。



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