マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 7, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 7, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月7日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。


KEY TAKEAWAYS
  • GDPnow(※3)速報値が下がり、米国の利上げ予測(※4)が下方向にシフト。
  • RUSSEL2000(※5)指数が上昇トレンドを継続。
  • ビットコインは$30,000まで下がると買われるパターンが継続。
  • 焦点は金曜の米国インフレーション指数。


さて、昨日は米国の利上げ予測が少し下がり、株価は全体的に回復方向に動いていたようです。GDPnowの速報値が下がり、米国貿易収支もマイナスが継続していて、経済の大きなダメージが利上げ予測の低下に繋がっているかもしれません。

とはいえ、状況からの推測で少し動いている部分はあっても、この1か月はずっと取引ボリューム(※6)が少なく、大きな動きがあるとは言えないと思います。多くのメディアが報道しているように、今週金曜に公表される米国インフレーション指数が決め手になりそうです。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. GDPnowは、中央銀行のアトランタ支部が提供している、現四半期のGDPの速報値を提供するツールです。日々公表される経済データを元にGDPの推測値を算出しています。
4. 政策金利利上げ予測は、CME Groupが提供しているFed Watch Toolで表示される将来の金利予測を指します。この予測値は金利の先物価格の推移から計算されているため、投資家の推測値の指標となっています。
5. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
6. 取引ボリュームは、売買の金額の大きさを表しています。







Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD




直近の主な経済データについて

昨日は以下の経済データが公表されました。


オーストラリア中銀政策金利 0.85% (専門家予測 0.6%)
専門家の予測より0.25ポイント多い0.5%の利上げで、マーケットにとってサプライズでした。保守派の政党からリベラル派の政党に変わったことも影響しているかもしれませんが、ハト的と見られていたオーストラリアの中央銀行が利上げしたことは驚きだったようです。インフレーションの問題が深刻化している表れと思われます。

米国貿易収支 -$87.1B (専門家予測 -$91B〜-$89.3B)※BはBillion=10億の意味
予測より少しダメージが軽かったようですが、大きなダメージには変わりなく、貿易収支の悪化をインフレーション抑制の要因のひとつと捉えているかもしれません。




各国の中央銀行が政策金利を上げてインフレーション対策を進めている中、投資家たちはインフレーションのピークアウトを見込みはじめているようです。木曜日に公表される米国の失業申請件数が著しく悪い場合にはインパクトがありそうですが、雇用環境が多少悪化することはすでに株価に織り込まれていると思われます。特に雇用の現象が激しい小売セクターの株価は大きく下がり続けています。

また、中央銀行のアトランタ支部が提供している、GDPnowという現在の四半期のGDPを速報値で見るデータがアップデートされ、5月中旬に2.5まで上がっていたものが0.9に下がっています。この数値が下がっていることから、政策金利の利上げ予測が下がっているように見えます。


今週の主な経済データ発表
6月8日 米国卸在庫 4月 (専門家予測 2.1%)
6月8日 EIA原油備蓄
6月9日 ヨーロッパ中銀政策金利 (専門家予測 0%)
6月9日 米国週次失業申請件数 (専門家予測 205K〜207K)
6月10日 米国インフレーション指数年率 (専門家予測 8.3%)
6月10日 米国消費者センチメント指数 (専門家予測 58.2〜59)







S&P500ボラティリティ指数 VIX  -4.19%  ▼


S&P500のボラティリティ指数VIX(※7)は、直近2週間くらいの中では大きめに下がりました。米国政策金利の利上げ予測が下がることに連動した動きに見えます。ボトムが近付いていることを示唆する報道もあり、年末までにはプラスに転じるという観測から、半年後にいまより株価が上がっている方に投資する人が増えはじめているかもしれません。しかしながら、木曜の失業申請件数や金曜のインフレーション指数など、大きくスパイクする要因となる発表が控えています。少し警戒しておくのが良さそうです。


TAKEAWAYS
  • 米国政策金利の利上げ予測と連動するように下落。
  • 年末までにプラスに転じる予測の影響もありそう。
  • 今週後半の経済データで再び大きくスパイクするのを警戒。


7. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。





S&P500指数ETF SPY   +0.96%  △


S&P500指数(※8)をトラックするETF SPYは、取引時間外の下落を取り戻して50EMA(※9)ラインまで上昇しています。下はフィボナッチ(※10)-23.6%ラインにサポートされて、ギャップ(※11)の上を維持しています。先週から同じ位置を維持しているので、メディアで報道されているように金曜のインフレーション指数の公表を待っているように見えます。


TAKEAWAYS
  • フィボナッチ-23.6%ラインにサポートされて、先週から同じくらいの価格で推移。
  • 金曜のインフレーション指数の公表を待っている。


8. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
9. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均線と重なるように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。
10. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。
11. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。




ダウ工業指数ETF DIA   +0.83%  △


Dow Jones Industrial Average(※12)をトラックするETF DIAは、取引時間外で下落した分を大きく取り戻して、フィボナッチ0%ラインと10EMAラインが重なっているレジスタンスライン(※13)で止まっています。この1か月くらいはずっと取引ボリュームが低く、今週も特に低いようなので、金曜のインフレーション指数を待っていて、新しく売買をしていないように見えます。


TAKEAWAYS
  • フィボナッチ0%ラインまで回復。
  • 取引ボリュームは低い状態が継続。
  • 金曜まで大きな動きがなさそう。


12. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
13. レジスタンスライン&サポートラインは、値動きの波が跳ね返りやすい価格で引いた水平線です。過去の値動きで山や谷になっているところと重なることが多く、逆方向の指し値注文が入りやすいところと見られています。






NASDAQ100指数ETF QQQ    +0.86%  △


NASDAQ100指数(※14)をトラックするETF QQQは、昨日より少し上昇し、上昇トレンドを維持しているように見えますが、高値も安値も昨日より低いので、勢いが弱くなっているように見えます。ギャップの上を維持していれば大きな下落はなさそうですが、ローソク足が10EMAラインに埋もれはじめたので、上昇のモメンタムが弱まっていると思います。



TAKEAWAYS
  • 上昇トレンドの勢いが弱まっているように見える。
  • ギャップの上にいる限り大きな下落はなさそう。


14. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。





RUSSEL2000指数ETF IWM    +1.61%  △

RUSSEL2000指数(※15)をトラックするETF IWMは、10EMAラインいサポートされるように上昇して、フィボナッチ0%ラインを越えました。政策金利の利上げ予測が少し下がっていることを受けて、楽観的なムードが広がっているように見えます。すぐ上には下降トレンドラインがあるので、大きな上昇は期待しにくいと思います。金曜のインフレーション指数の公表まではフィボナッチ0%ライン付近を上下するように思います。


TAKEAWAYS

  • 短期的な上昇トレンドが継続し、楽観ムードの広がりが見える。
  • 政策金利の利上げ予測が下がっていることが追い風になっているかもしれない。
  • 金曜のインフレーション指数公表まで上下しそう。


15. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。



日本株式ETF EWJ    +0.31%  △


日本株式をトラックするETF EWJ(※16)は、低めのスタートから回復を続けて、かろうじてギャップ(ブルーの帯)の上を保っています。このギャップの上にいる限り大きな下落はないと思います。しかし上は50EMAラインが頑なに拒絶するので、今週は狭い範囲で上下を続けそうです。


TAKEAWAYS
  • 今週は狭い範囲の上下が続きそう。
  • すぐ上にある50EMAラインは昨年9月から上に抜けられず上昇が難しい。
  • ギャップの上にいる限り大きな下落もなさそう。

16. EWJは日本株式の時価総額の大きい順に上から263社を保有しています。





ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、52週安値ラインから再び上昇して、週末に到達した価格まで戻っています。1か月前と比べると、ほとんど52週安値のラインの下に落ちなくなっているのが特徴的だと思います。$30,000を割ると買われるパターンはこれからしばらく続くように思います。大きな転換点になりそうなのは、7月末の米国中央銀行のFOMC(※17)です。ちょうどその頃が停滞から10週あたりになり、そこから上昇していくのが2018年と似た動きになります。


TAKEAWAYS
  • $30,000を割ると買いのニーズが多い。
  • あとひと月ほどはいまの価格帯を上下しそう。
  • 上昇方向に転じるターニングポイントは7月末。


17. FOMCは、Federal Open Market Committeeの略で、米国中央銀行の金融政策決定会合のような位置付けのものです。この会議で政策金利が決定され、QE(金融緩和)やQT(金融引締め)の計画内容と進行状況が話されます。議事録には公表されていない将来の施策や、現在のマーケットの展望などが含まれるため世界の投資機関が注目しています。











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