マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 14, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 14, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月14日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。



KEY TAKEAWAYS
  • 米国金利予測(※3)が大きく上昇中。
  • リセッションインディケーターが再びマイナスに。
  • ビットコイン間もなく$20,000。


日本時間の明日早朝3時以降に米国政策金利が告知され、FOMC(※4)のプレスカンファレンスが行われます。金利予測はかなり悲観的な方向に振れていて、この2日間で一気に上昇しています。その反動でFOMC後に少し反発があるかもしれません。

リセッションインディケーターと呼ばれる指数が、再びリセッションを示すマイナス領域になっているので、ますますリセッションの不安が膨らんでいるように見えます。トップよりボトムが近い状況ではありそうですが、まだ下がる余地を見据えておいたほうが良さそうです。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. 米国金利予測は、CME Groupが提供しているFed Watch Toolで表示される将来の金利予測を指します。この予測値は金利の先物価格の推移から計算されているため、投資家の推測値の指標となっています。
4. FOMCは、Federal Open Market Committeeの略で、米国中央銀行の金融政策決定会合のような位置付けのものです。この会議で政策金利が決定され、QE(金融緩和)やQT(金融引締め)の計画内容と進行状況が話されます。議事録には公表されていない将来の施策や、現在のマーケットの展望などが含まれるため世界の投資機関が注目しています。




Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD
  • おまけ




直近の主な経済データについて

今週は以下の経済データが公表されました。


英国 失業率 4月 3.8% (専門家予測 3.6〜3.7%)
下がる予測とは反対に上昇しているので、リセッション懸念を後押ししているように見えます。少しくらい上がるのは自然なことですが、上がり続ければ本格的なリセッションになります。

米国 製造物価指数(PPI) 5月 0.8% (専門家予測 0.7〜0.8%)
先月より少し高い数値ですが、予測どおりなのでマーケットに大きな影響がなかったように見えます。


英国の失業率UPは心配材料ですが、いまは世界中がFOMCのアウトプットに集中していると思います。かなり厳しい方向にスタンスが変わると予測されていて、年末時点の米国金利予測は先週より1%(1回の利上げの基準が0.25%なので、1%はその4回分)上に上がっています。

日本時間の明日早朝3時以降に米国中央銀行の政策金利と利上げスタンスが話されるので、それまでマーケットは現状維持を続けるように思います。いま予測されている利上げ幅はかなり高くなっているので、FOMC後のプレスカンファレンスで話される利上げペースが予測より弱めに映るかもしれません。


リセッションインディケーターと呼ばれる米国10年国債と2年国債の利回りのスプレッドが、再び0%を下回ってマイナス領域に入っています。歴史を振り返るとこれがマイナスになった後はほぼリセッションが到来しているので、それが理由でマーケットがかなり敏感になっているようです。

特に実体経済を反映している小売売上指数は株価とよく連動していて、この指数がボトムすれば株価もボトムして上昇を始めます。今晩公表されるデータは要チェックと思います。



来週の主な経済データ発表
6月15日 米国 小売売上指数 5月(専門家予測 0.2%〜0.3%)
6月15日 米国 EIA石油備蓄(専門家予測 0.2%〜0.3%)
6月16日 米国 政策金利(専門家予測 1.5%)
6月16日 米国 FOMCプレスカンファレンス
6月16日 豪州 失業率5月(専門家予測 3.8%〜3.9%
6月16日 英国 政策金利(専門家予測 1.25%
6月16日 米国 失業申請件数(専門家予測 215K〜240K)
6月17日 欧州 インフレーション指数(専門家予測 8.1%)







S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※5)は、今年1月から続いている下降トレンドラインに当たってボリンジャーバンド(※6)まで下がっています。上昇方向に動いているのは変わっていないように見えます。FOMCの後に少し下がるかもしれませんが、失業率などで実際にリセッションが数字に表れてくると大きなスパイクがありそうです。


TAKEAWAYS
  • FOMCを前にして動きが止まっている。
  • リセッションを警戒。


5. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。
6. ボリンジャーバンドは、チャート分析に使われるテクニカル指標のひとつで、移動平均と標準偏差の組み合わせで構成されています。指定期間の標準偏差を用いて値動きの可能性をラインで表示し、移動平均を挟んで上下に帯のように表示されます。変動可能性が大きい時は幅が広がり、小さい時は狭くなります。狭くなった後は次に大きく動く可能性が高くなります。





S&P500指数ETF SPY


S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、直近最安値を更新して下がっています。フィボナッチ(※8)ラインに到達しているので、少し反発があるかもしれません。本格的にリセッションが数字に表れてくるとさらに下がると思われます。FOMC後にさらに下がるとしたら、大きく下がる余地がありそうです。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新。
  • FOMC後に少し反発する可能性。
  • 下がる余地が大きく残っている。


7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。





ダウ工業指数ETF DIA 


Dow Jones Industrial Average(※9)をトラックするETF DIAは、直近最安値をさらに更新して下がっています。昨日より下がり方は緩やかですが、次のフィボナッチラインまで距離があるので、まだ下がる余地がありそうです。FOMC後に少し反発しても楽観的になるのはまだ早いように見えます。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新。
  • まだ下がる余地がありそう。


9. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。






NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※10)をトラックするETF QQQは、直近最安値を更新していますが、昨日より少し高い価格で終わっています。FOMCの前にポジションを減らしている人が多いかもしれません。少し反発があっても楽観的になり過ぎない方が良さそうに見えます。



TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新。
  • FOMCを前に一時停止。


10. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。





RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※11)をトラックするETF IWMは、直近最安値を更新して下がりました。大きく下がった反動が見られないということは、下方向の勢いがまだ残っていることを示しているように見えます。つぎのフィボナッチラインまで間隔が空いているので、下がる余地はまだ残っていると思います。金利上昇には特に弱いセクターなので、FOMC後に利上げ上限が見えればそれに合わせて下がる幅が調整されるように思います。


TAKEAWAYS

  • 直近最安値を更新。
  • 金利上昇の影響が大きい。


11. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。



日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※12)は、また直近最安値を更新して下がりました。ちょうどフィボナッチラインの上で終わっているので、少し反発する可能性があるように見えます。フィボナッチラインを下に割ると、もう少し下がってから反発するかもしれません。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新。
  • フィボナッチラインで少し反発する可能性。

12. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。





ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、直近最安値を更新して$20,000が射程範囲に入ってきました。値動きが少ないのに取引ボリュームが大きいということは、すでに買い入れている人が多いことを示しているように見えます。株式指数などと比較して最もボトムが近いと予測されているのはビットコインなので、3年〜5年のスパンで考えればとてもお得な価格になってきたと思います。

ただ、大きく上昇トレンドに移る前に3か月くらい停滞する可能性が高いので、反発しても追いかけて買わない方が良さそうに見えます。


TAKEAWAYS
  • $20,000まであと少し。
  • すでに買っている人が増えている可能性。






おまけ


米国10年国債利回りは、政策金利の予測上昇に伴いさらに上がって3.5%に到達しています。年末の金利の予測が4.0%に達しているので、FOMC後にそれが現実的であれば国債の利回りも4.0%を目指してさらに上がると思われます。

下のチャートはCME Groupが提供しているFedWatch Tool のチャートで、現在の米国政策金利の12月末時点の予測が出ています。濃い色が現在で、薄くなるにつれて昨日、先週、先月となっています。このチャートにあるように、この2日くらいで一気に残像を残して右側にシフトしています。4.0%以上は本当にエクストリームな状況で、経済にとっては致命的なダメージがある領域を意味しています。




TAKEAWAYS
  • 利上げ予測上昇に合わせて3.5%まで上昇。
  • 米国政策金利の利上げ予測は一気に1.0%上昇。
  • 4.0%が現実化すれば経済にダメージ大。







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