マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 17, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 17, 2022



はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月17日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。



KEY TAKEAWAYS
  • ベアマーケット(※3)の急降下を警戒。
  • 原油価格が下がり続けているので急激な下落を警戒。
  • VIX指数(※4)は高い水準をキープ
  • 日本株ETFが下落継続。
  • ビットコインは$20,000付近で停滞。


トップよりボトムが近いと言われているけれど、ボトムしきれずにズルズル下がっています。正式にリセッションに至っていないものの、ベアマーケットの領域にあるため、この先の急降下を警戒しているように見えます。

中央銀行が何と言おうと、投資家の方々は守りを固めてリセッション(※5)の備えをしているそうです。投資銀行のCEOの皆さんも口を揃えていまの下落は終わっていないと言っているので、まだ下がっていく可能性が高く見えてしまいます。

ということで、各セクターの状況を見てみましょう!


1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3ベアマーケットは、長期的に下降トレンドが続く時期を指し、正式には直近の史上最高値から20%以上下がった価格帯まで下がっている状態を指します。
4. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。
5. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。




Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD
  • おまけ




直近の主な経済データについて

今週は以下の経済データが公表されました。


日本 政策金利 -0.1% (専門家予測 -0.1%)
海外の投資家の間では、各国の中央銀行が利上げをしていて金利の差が広がっている状況なので、日銀がイールドカーブコントロール(金利が上がり過ぎないように中央銀行が国債を買ってレートを維持するアクション)の幅を広げるかもしれない、という期待があったようですが、スタンスを全く変えなかったので再び円安が加速しているようです

欧州 インフレーション指数 5月最終 8.1% (専門家予測 8.1%)
予測どおり+0.25%の利上げがされました。5回連続の利上げということで、かなり異例の事態だと報道されています。



欧州のインフレーション指数は30年以上も達したことのない領域を上昇中。さらなる引き締めが必要な状況が続きそうです。一方で通貨を供給しても全くインフレーション指数が上がらない不思議の国、日本。日銀は超低金利を継続する方針で揺るがないため、他国との金利差が広がり日本円は暴落し続けています。輸入費用が高騰していて、じわじわと生活費が上がっていることが海外でも報道されています。そろそろしっかりコントロールしてもらわないと日本の経済が時代を逆行してしまいそうな気がしています。

Source: Macrotrend

上のチャートはS&P500指数の年初からの株価の変動率をグラフにして、過去の年と比較しているものです。このチャートでは2022年と2008年を比べています。デジタルトレードが発達してきたことも影響していると思いますが、値動きの反応が早くなっているようにも見えます。

2008年は正式にベアマーケットとされる-20%のラインを割った後の下落スピードが異常に速くなっています。2022年は正式にはリセッションに至っていませんが、ベアマーケットの傾向に対して警戒が高まっているように思います。




来週の主な経済データ発表
特になし







S&P500ボラティリティ指数 VIX


S&P500のボラティリティ指数VIX(※6)は、少し下がっていますが30以上をキープしています。大きく下がっていないということは、株価がもっと下がると思う人があまり減っていないことを示しています。しばらく大きなイベントが無さそうなので、少しずつ緊張が緩むかもしれませんが、数値が高いので急激な変動が起きやすい状況は変わっていません。


TAKEAWAYS
  • 30以上の高い数値をキープ。
  • 50に到達するまで上昇することを警戒。


6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。






S&P500指数ETF SPY


S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、直近最安値は更新して下がっています。ほとんど動いていないところを見ると、いまの状況に警戒感が高いことが見えます。10EMA(※8)ラインから少し離れているので、少しの間は同じ価格帯を推移するかもしれません。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して下降を継続。
  • 同じ価格帯を推移する可能性。


7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。





ダウ工業指数ETF DIA 


Dow Jones Industrial Average(※9)をトラックするETF DIAは、直近最安値を更新して下がっています。ギャップ(※10)が高値で、終値はちょうどフィボナッチ(※11)ラインで止まっているので、ギャップを上に抜けるのが難しそうに見えます。ボリンジャーバンド(※12)の広がり方が大きいので、勢いが強いことを示しています。

急激に下がって10EMAラインと50EMAラインの感覚が開いてきているので、少しの間は同じ価格帯を推移するかもしれません。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して下降。
  • ギャップを上に抜けるのが難しそう。


9. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
10. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。
11. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。
12. ボリンジャーバンドは、チャート分析に使われるテクニカル指標のひとつで、移動平均と標準偏差の組み合わせで構成されています。指定期間の標準偏差を用いて値動きの可能性をラインで表示し、移動平均を挟んで上下に帯のように表示されます。変動可能性が大きい時は幅が広がり、小さい時は狭くなります。狭くなった後は次に大きく動く可能性が高くなります。






NASDAQ100指数ETF QQQ


NASDAQ100指数(※13)をトラックするETF QQQは、昨日より少しだけ上がっていますが、今週は同じ価格帯を推移しています。ギャップ(※11)の下で動いているので、上昇するのが大変そうに見えます



TAKEAWAYS
  • 同じ価格帯で推移。
  • ギャップを上に抜けるのが大変そう。


13. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。






RUSSEL2000指数ETF IWM

RUSSEL2000指数(※14)をトラックするETF IWMは、ほとんど動いていません。10EMAラインと50EMAラインの幅が開いてきているので、少しの間ギャップの下で推移してから下がりそうに見えます。


TAKEAWAYS

  • ほとんど動いていない。
  • まだ下がる余地がありそう。


14. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。



日本株式ETF EWJ


日本株式をトラックするETF EWJ(※15)は、直近最安値を更新してさらに下がっています。大きな動きはありませんがボリンジャーバンドの縁をなぞるように下がっているので、下方向の重力が強そうです。


TAKEAWAYS
  • 直近最安値を更新して下降。
  • さらに下がる可能性。

15. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。






ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、$20,000付近で停滞しています。ボリンジャーバンドが広がって、縁を沿うように下がっていますが、$20,000は多くの人にとって魅力的に映っていると思われるので、しばらくここで停滞するように思います。


TAKEAWAYS
  • $20,000付近で停滞。
  • しばらく同じくらいの価格帯で推移する可能性。
  • 9月頃から上昇する希望のシナリオを胸に。






おまけ


米国原油ETF USOは、先週から継続して下がっています。インフレーション抑制のサインとしてポジティブに見えると思います。これまで何度かサポートラインとして機能してきた50EMAラインと、昨年末から続いている上昇トレンドライン、それからフィボナッチ61.8%ラインが近いところにあるので重要なサポートラインになりそうです。このラインを下に抜けられたら下降トレンドが加速すると思われます。

原油価格とS&P500指数の過去のチャートを見ると、原油価格が急激に下がり始める時には株価の下落も加速しています。今年も異例のインフレーションの高さで、急激な利上げを余儀無くされているので、原油価格の急激な下降には注意が必要なように見えます。もし原油価格が急激に下落する場合、ボトムまで2〜5か月くらいあるかもしれません。



TAKEAWAYS
  • 原油価格は先週から継続して下降。
  • 急激な下落が株価の下落を助長する可能性。
  • 長期的にはインフレーション抑制のサインとしてポジティブ。





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