マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 8, 2022
マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 8, 2022
はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。
6月8日のマーケットレビューをお届けします。
世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。
KEY TAKEAWAYS
- 米国の9月利上げ予測(※3)の0.5%の確率が少し上昇。
- EWJ(※4)ETFが下降トレンドに入っている。
- 焦点は金曜の米国インフレーション指数。
昨日も、先週から引き続き同じ価格帯の推移を続けています。明日のインフレーション指数を待っているようです。原油価格が高騰を続けているのが理由のためか、米国の利上げ予測の中で9月の0.5%の確率が少し上がっています。株価があまり下がらないところを見ると、上昇に期待する人が減っていないように見えます。
しかし、他の指数より早く動いているように見える、米国マーケットに上場している日本株を保有するETF EWJが下降トレンドに入っていることは少し心配です。明日公表予定のインフレーション指数は先月と同じ8.3%が予測されていますが、原油価格の高騰の影響で上振れすることは株価が下落する要因になりそうです。
ということで、各セクターの状況を見てみましょう!
1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. 政策金利利上げ予測は、CME Groupが提供しているFed Watch Toolで表示される将来の金利予測を指します。この予測値は金利の先物価格の推移から計算されているため、投資家の推測値の指標となっています。
4. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。
Table of Contents
- 直近の主な経済データについて
- S&P500ボラティリティ指数 VIX
- S&P500ETF SPY
- Dow Industrial Average ETF DIA
- NASDAQ100 ETF QQQ
- RUSSEL2000 ETF IWM
- 日本株式ETF EWJ
- ビットコイン米ドルレート BTC/USD
直近の主な経済データについて
昨日は以下の経済データが公表されました。
米国卸在庫 4月 2.2% (専門家予測 2.1%)
先月の2.7%より低めですが、歴史的には増えるスピードが速いそうです。ARK代表のキャシー・ウッドさんはこの急激な在庫増加はインフレーションを終わらせる大きな要因になると言っています。
EIA原油備蓄 2.025M (専門家予測 -1.917M)※MはMillion=100万の意味
原油の市場在庫は予測より良い方向にあるはずですが、OPECがアジア向けの原油価格を上げると言っていることもあり、原油価格はいまのところ継続して上昇中です。
インフレーションがピークアウトする予測が出てきているものの、原油価格の高騰は止まらず、米国財務長官のイエレンさんなども「インフレーションはしばらく高い水準が続く」と見解を示していることもあり、米国政策金利が9月も0.5%あげる予測が少しずつ増えています。
しかしながら、投資家の注目点はインフレーション指数であることに変わりなく、金曜のインフレーション指数を見てマーケットの方向性が決まると思います。いまのところ先月と変わらない8.3%の予測が出ているので、利上げ予測が下がる可能性は低いように見えます。
インフレーション指数を算出する時のウェイトは食料とエネルギーが22%ほどで、その他が78%になっています。特に大きく値上がりしているのは食料とエネルギーと自動車と飛行機代です。小売在庫が増えていることの影響が少ないところなので、インフレーション指数が専門家の予測より高くなることが少し心配です。
今晩の失業申請件数が急激に上昇していなければ、明日まで大きな動きはなさそうに見えます。
今週の主な経済データ発表
6月9日 ヨーロッパ中銀政策金利 (専門家予測 0%)
6月9日 米国週次失業申請件数 (専門家予測 205K〜207K)
6月10日 米国インフレーション指数年率 (専門家予測 8.3%)
6月10日 米国消費者センチメント指数 (専門家予測 58.2〜59)
S&P500ボラティリティ指数 VIX -0.25% ▼
S&P500のボラティリティ指数VIX(※5)は、ほとんど動いていません。5月後半からゆっくりと低下しているところを見ると、少しずつ楽観的な動きが増えていることを示しているように見えます。ただし、年末頃にプラスになるという予測で動いている部分が多いようなので、直近1〜2か月はまだ警戒しておいたほうが良さそうです。金曜のインフレーション指数があまり下がっていない場合は大きくスパイクするかもしれません。
TAKEAWAYS
- ほとんど動いていない。
- 金曜のインフレーション指数を警戒。
- 年末頃には今より上がっている予測が少しずつ増えている。
5. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。
S&P500指数ETF SPY -1.08% ▼
S&P500指数(※6)をトラックするETF SPYは、50EMA(※7)ラインと10EMAラインの間におさまって、先週から同じくらいの価格帯で横にスライドしています。ブルーでマークしたギャップ(※8)に入ってくると買われて価格が維持されているようなので、上昇する可能性を支持している人が少なくないことを示しています。
TAKEAWAYS
- 先週から同じ価格帯で推移。
- ギャップまで下がると買われるので、上昇に期待する人が多そう。
6. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
7. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均線と重なるように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。
7. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均線と重なるように、画像の中では10EMA(イエロー)、50EMA(オレンジ)、200EMA(レッド)を表示しています。
8. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。
ダウ工業指数ETF DIA -0.81% ▼
Dow Jones Industrial Average(※9)をトラックするETF DIAは、若干下がっているものの、動きはとても小さく、ほとんど動いていません。ちょうど50EMAラインと10EMAラインに挟まれるように留まっています。他の指数より200EMAラインが近く、本格的に楽観的な将来が見えるまでは上昇の余地が少なく見えます。
TAKEAWAYS
- 金曜まで大きな動きがなさそう。
- 200EMAラインまで近いため、上昇の余地が少なく見える。
9. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
NASDAQ100指数ETF QQQ -0.72% ▼
TAKEAWAYS
- ほとんど動いていない
- 上昇トレンドは維持している。
- 警戒感が強そう。
10. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
RUSSEL2000指数ETF IWM -1.55% ▼
RUSSEL2000指数(※11)をトラックするETF IWMは、フィボナッチ(※12)0%ラインに戻りました。他と違って明確に上昇トレンドをつくっていますが、すぐ上に下降トレンドラインがあるので、警戒感が徐々に上がっているように見えます。9月も政策金利0.5%利上げする予測が少し増えているので、明日のインフレーション指数を見て0.5%の予測がさらに増えると大きく下降する可能性が高いので注意が必要です。
TAKEAWAYS
- 短期的な上昇トレンドが継続中。
- 金曜のインフレーション指数公表の前後は注意が必要。
11. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
12. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。
12. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。
日本株式ETF EWJ -1.30% ▼
TAKEAWAYS
- 先週50EMAラインに跳ね返されて下降トレンドに入っている。
- 他の指数をリードしていないか心配。
- ギャップの下に落ちるとさらに下がりそう。
13. EWJは、米国マーケットに上場しているETFで、日本株式の時価総額の上位263社を保有しています。
ビットコイン米ドルレート BTC/USD
ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、52週安値ラインとボリンジャーバンド(※14)の上のバンドの間を行き来しています。最近は株式マーケットとの連動はあまりないように見えるため、独自のリズムで7月末までは同じ価格帯で推移しそうです。
TAKEAWAYS
- 同じ価格帯での推移が継続。
- 上昇方向に転じるターニングポイントは7月末。
14. ボリンジャーバンドは、チャート分析に使われるテクニカル指標のひとつで、移動平均と標準偏差の組み合わせで構成されています。指定期間の標準偏差を用いて値動きの可能性をラインで表示し、移動平均を挟んで上下に帯のように表示されます。変動可能性が大きい時は幅が広がり、小さい時は狭くなります。狭くなった後は次に大きく動く可能性が高くなります。








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