マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 3, 2022

マーケットレビュー Daily : SPY, DIA, QQQ, IWM, EWJ, BTC - June 3, 2022


はい、みなさんこんにちは!
クリエイティブ、テクノロジー、投資ファンのこーじです。

6月3日のマーケットレビューをお届けします。

世界の株式マーケットの方向性を決める世界最大のマーケット(※1)である米国マーケットをレビューすることで、日本の株式マーケットや為替(FX)マーケットの背景で動くマクロトレンド(※2)のインサイトを見つけることができればと思っています。


雇用データが予測より良かったことから、米国政策金利の利上げ予測(※3)がまた少し上にシフトして、上昇ムードは全体的にトーンダウンしています。テスラCEOのイーロン・マスクが経済状況にかなりの不安を感じているという報道も、上昇ムードの沈静化を手伝っているように見えます。

ここで再び下降トレンドに戻っていくのか、それともベアマーケットラリー(※4)が続くのか、各セクターの状況を見てみましょう!

1. 株式マーケットが運用されている世界の上位100か国の中で最もマーケットの時価総額が大きいのが米国で、全体の40%を占めています。上位5社ほどが日本の株式マーケット全体に相当する大きさです。
2. マクロトレンドとは、株価が上昇したり下降したりするトレンドの背景にあるファンダメンタルな要因がつくる大きな流れです。例えば、通貨の供給量を増やすことが株式マーケットの時価総額を成長させる背景にあるといったものです。
3. 政策金利利上げ予測は、CME Groupが提供しているFed Watch Toolで表示される将来の金利予測を指します。この予測値は金利の先物価格の推移から計算されているため、投資家の推測値の指標となっています。
4. ベアマーケットラリーは、ベアマーケット(長期間下降トレンドが続く時期のマーケットを指します)の中に発生する上昇トレンドで、短期間のうちに強い勢いで株価が上昇します。







Table of Contents

  • 直近の主な経済データについて
  • S&P500ボラティリティ指数 VIX
  • S&P500ETF SPY
  • Dow Industrial Average ETF DIA
  • NASDAQ100 ETF QQQ
  • RUSSEL2000 ETF IWM
  • 日本株式ETF EWJ
  • ビットコイン米ドルレート BTC/USD




直近の主な経済データについて

昨日は以下の公表がありました。


米国失業率 5月 3.6% (専門家予測 3.5%)
先月と同じ数値なので状況は特に変わりなしですが、専門家の予測より高い数値だったことは、これから失業率が上がっていく懸念の不安材料になっていると思います。

米国雇用統計 5月 390K (専門家予測 320K〜325K)
ここ1年の中で最も低い数値ですが、雇用環境が専門家の予測より強いことが、中央銀行の利上げペースの心配に結びついているように見えます。



今回公表されたデータを見てもリセッション(※5)の進行はまだ見られませんが、原油が高騰しているのでインフレーション対策が必要な状況は深刻化していると思われます。著名な投資家がリセッションに関するアラートを以前より出していて、先週はJPモルガンCEOの経済環境がかなり荒れるというコメントがあり、さらにテスラCEOの経済先行きに対する相当な不安の声が出てきています。

多くの企業がコストを抑えてディフェンスを堅め、これから先の経済環境に備えているようです。経済データからはまだリセッションの進行は見られませんが、すぐに良くなっていく見通しは立てにくい状況に見えます。ただし、現状でもある程度ひどい状況が株価に織り込まれているので、本当にひどい事実が明らかになるまでは株価が大きく下落する勢いもなさそうに見えます。

5. リセッションは、景気後退を指し、正式な定義では2四半期連続でGDPがマイナス成長の状態を指します。主な原因はインフレーションを抑制するための中央銀行の政策金利の引き上げが急激なことにより起こることが多いようです。リセッションになると小さな企業が破綻しやすくなり、失業率が加速的に上昇しはじめます。 







S&P500ボラティリティ指数 VIX  +0.28%  △


S&P500のボラティリティ指数VIX(※6)は、少し上昇していますが前日とほとんど変わらない位置にいます。徐々に上昇トレンドラインに近付いているので、近いうちに跳ね上がることに注意したほうが良いように見えます。数値としてはまだ変動が大きくなることを示しているので、どちらの方向にも人が動いていないようです。

6. VIX指数はマーケットの下落可能性を測る指標として使われています。数値が高いほど下落可能性が高く、大きくスパイクした後は株価が反発するチャンスがあるとされています。長期間の平均値は19.1あたりになるようです。




S&P500指数ETF SPY   -1.64%  ▼


S&P500指数(※7)をトラックするETF SPYは、前日の上昇を巻き戻すように静かに下がりました。まだ10EMA(※8)ラインの上にて前日安値を割っていないので、まだ上昇トレンドの中にいるように見えます。もう一度フィボナッチ(※9)0%ラインをテストする可能性もありそうですが、越えるためには大きな勢いが必要だと思います

7. S&P500は、世界で一番大きな株式マーケットで米国の時価総額上位500社の価格をトラックしている指数です。
8. EMAは、指定した数のローソク足の平均値を直近の数値に重み付けしてラインで表示しているものです。値動きの上限や下限になることが多いため、チャート分析でよく使われています。長い期間の平均値と重なりやすいように、画像の中では5EMA(淡いイエロー)、10EMA(イエロー)、25EMA(淡いオレンジ)、50EMA(オレンジ)、100EMA(淡いレッド)、200EMA(レッド)を表示しています。
9. フィボナッチとは、フィボナッチリトレースメントの略で、イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチが発見したフィボナッチ数の法則性を利用したテクニカル指標です。主にサポート&レジスタンスラインの見極めに使われています。フィボナッチ数列にある任意の数字と前の数字との比率が61.8%にあたり、チャートの動きも61.8%のラインあたりで方向転換することが多いです。







ダウ工業指数ETF DIA   -1.03%  ▼


Dow Jones Industrial Average(※10)をトラックするETF DIAは、前日より下がっていますがあまり動かずに止まっています。10EMAラインの上にいるので、短期的な上昇トレンドの中にいますが、フィボナッチ0%ラインを上に抜けられないといずれ下がってくると思われます

10. Dow Jones Industrial Averageは、米国の株価を重視して重み付けした上位30社の価格をトラックする指数です。伝統的な会社やファイナンシャル企業の有名な会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。






NASDAQ100指数ETF QQQ    -2.60%  ▼


NASDAQ100指数(※11)をトラックするETF QQQは、水曜日と同じ位置まで戻っています。他の指数と同様に、この1週間はほとんど同じ位置に留まっています。今の位置は5月中旬の値動きの山の部分にあたる強いサポートライン(※12)で止まっています。このラインの上にいれば、もう一度フィボナッチ0%ラインを試すと思われます。逆に、下に抜けてしまうと下降トレンドに戻ると思われます。

11. NASDAQ100は、米国NASDAQに上場している会社のファイナンシャル企業を除く時価総額上位100社の価格をトラックする指数です。大きなテック会社を集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。
12. サポートラインは、値動きの波が跳ね返りやすい下限の価格です。過去の値動きで山や谷になっているところと重なることが多く、逆方向の指し値注文が入りやすいところと見られます。




RUSSEL2000指数ETF IWM    -0.90%  ▼


RUSSEL2000指数(※13)をトラックするETF IWMは、フィボナッチ0%ラインにへばりつくように耐えています。他の指数と比べると強く見えます。まだ上昇トレンドは続いているように見えますが、フィボナッチ0%ラインの強いレジスタンスラインを越えるにはもう少し勢いが必要に見えます。

13. RUSSEL2000は、時価総額上位3000社を集めたRUSSEL3000の下から2000社を集めた指数です。この2000社がRUSSEL3000の時価総額の10%を占めていて、米国経済の健康状態を測る目安とされている指数です。米国の中小企業をいっぱい集めた指数と捉えるのが簡単な解釈です。


日本株式ETF EWJ    -2.08%  ▼


日本株式をトラックするETF EWJ(※14)は、他と比べると一番大きく落ちています。ちょうどグリーンの帯でマークしたギャップ(※15)の上に乗っているので、もう一度50EMAラインをテストする可能性は残っていると思います。しかし、10EMAラインの下まで落ちているので、下方向の重力がかなり強いと思います。

14. EWJは日本株式の時価総額の大きい順に上から263社を保有しています。
15. ギャップは、前日のローソク足と当日のローソク足に開きがあることをさします。テクニカル指標で指値を検討する際にギャップの中に設定されにくいため、ギャップの上か下かで値動きに大きな影響を与えると考えられます。




ビットコイン米ドルレート BTC/USD


ビットコインの米ドル価格BTC/USDのレートは、52週安値ライン付近で停滞しています。上昇トレンドを示している5EMAラインと10EMAラインが、反対方向にクロスして下降トレンドに変わりそうになっています。ローソク足がEMAラインに重なっている時は方向が定まらないことが多いので、短期的にどちらに行くかは読みにくいと思います。経済環境からは大きく上昇する後押しになる要因は一つも見えないので、今は長期的な考えで毎月少しずつ買って行くのが良いと思います。ボリンジャーバンド(※16)の幅がかなり狭くなっているので、次の動きが大きくなることを示しています。上のバンドで跳ね返っているので下方向に大きく振れそうですが、もう少し方向が見えるまで短期投資はリスクが高そうです。

16. ボリンジャーバンドは、チャート分析に使われるテクニカル指標のひとつで、移動平均と標準偏差の組み合わせで構成されています。指定期間の標準偏差を用いて値動きの可能性をラインで表示し、移動平均を挟んで上下に帯のように表示されます。変動可能性が大きい時は幅が広がり、小さい時は狭くなります。狭くなった後は次に大きく動く可能性が高くなります。










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